【森の哲学者】たそがれ!木林春夫
薫 サバータイス
#不吉な猫の巻
木林春夫という伝説の男を知っていますか❓
たぶん誰も知らないと思います。
私もよく知りません。
はっきりしているのは、木林春夫が伝説の男だということだけ。
ですが「伝説」となっているからには、何かしら根拠となるエピソードがあるはずです。
これからお話しする出来事が、木林春夫をして、伝説の男たらしめたかどうかはわかりません。
判断は皆さんにおまかせします。
では、聞いてください。
#不吉な猫の巻
ある雨上がりの午後のことでした。
木林春夫さんが近所を散歩していると、通りの角から急に猫が飛び出てきました。
いつもの木林春夫さんなら動じることなく、微笑んでよけます。
しかしその日は、朝の「おでかけ占い 今日の運勢」で、うお座が最下位でした。
しかも、飛び出てきたのは黒猫でした。
木林春夫さんの体は硬直しました。
2秒後、黒猫は木林春夫さんの足先を横切って、どこかへ消えました。
何も起こりませんでした。
木林春夫さんはガッツポーズしました。
というのも、黒猫は木林春夫さんに、災いをもたらすことができなかったからです。
空に虹がかかっていました。
とてもキレイでした。
木林春夫さんはすぐ電車に乗り、百貨店へ向かいました。
虹の描かれたリトグラフを買うためでした。
9Fのアートギャラリーに並んだ作品の中に1枚だけ、虹が描かれているものがありました。
少し迷って、購入しました。
木林春夫さんの生活費1ヶ月分を優に超える190,000円もしましたが、高いとは思いませんでした。
むしろ安い気もしました。
なぜなら、そのリトグラフは、木林春夫さんが黒猫に勝利した記念の品だったからです。
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教訓👉買ったのはラッセンか❓
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