番外編.10
楓に気づかれないようにこっそり和室に入っていた私たち。楓は、私たちに気付かないで鼻歌を歌いながらお絵描きをしていた。そんな可愛い楓を見て顔を見合わせて笑い合う私たち。ふふって声が出そうになるのを必死に堪える。
蓮がそーっと楓に近づいて
「だーれだ」
手のひらで楓の目を隠しながら言った。楓当てられるかな?
「うわっ、びっくりした〜。う〜んとね、その声は蓮にいでしょ〜」
少しびっくりしたみたいだけど、めっちゃ驚くとか怖がるとかじゃなくて。本当によかった〜。楓には笑顔が似合うから、ずっと笑っててほしいんだ。
「そう正解だ!さすが楓。でも、俺だけじゃなくて桃もいるぞ」
「桃ねえもいるの!」
蓮の手が、目から離れた楓はキョロキョロして、襖にもたれながら二人を眺めていた私に気がついたみたい。
「桃ねえ!」
笑顔で走って私に抱きついてきた。本当にかわいい。
「桃ねえだよ〜」
ってふざけて言って、楓に抱きつき返すと
「いいなー。俺も入れてくれー」
蓮が笑いながら言ってきた。いやいや、入れるわけないでしょ。
「無理だよ」
笑顔で拒否しときました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます