第4話 かわいすぎるあの娘は生き返ったおばあゃん

「お、おばあちゃん!!」

 すっとんきょうな声を明人はあげてしまう。

 しかし目の前のおっぱいの大きい、美少女はどういても明人と同年代に思えた。

 肌もつやつやで髪も黒々としている。

「そう、私は死神の力で生き返ったのよ。ついでに若返らしてもらったの」

 そう言い、絵津子はパンケーキをまた一口食べた。

 う~ん美味しいと言った。

 今度は一口大にきったパンケーキを明人の口もとに持ってくる。

 それをされるがまま明人はぱくりと食べた。

 チョコの甘さが口に広がる。


 でも名前がちょっと違うな。

 おばあちゃんの名前は里中悦子だったはず。

 目の前でテーブルに巨乳をのせている彼女は里美絵津子と名乗った。


「ああ、その名前は私が女優をやっていたときの芸名よ。明人君をびっくりさせようと思ってね、違う名前を名乗ったのよ」

 うふふっと絵津子は笑う。


「でも、さっき生き返ったって……」

 生き返るということは死んだということだ。

 しかし、おばあちゃんは隣の県に住んでいたはずなのに。


「そう、久しぶりに絵美たちに会いに来たんだけどね。交通事故に巻き込まれちゃってね。ベビーカーの母子おやこを助けたんだけど私は死んじゃった。でもその時死神さんがあらわれて最後に願いを叶えてあげようっていってくれたのよ。だから、私はこうしてここにいるのよ」

 絵津子は言った。

 小さくきったパンケーキはあと二口分。

 それを一口絵津子は自分で食べて、最後の分は明人に食べさせた。

「はい、遠慮のかたまりよ」

 料理の最後の一口を遠慮のかたまりというのもおばあちゃんの口癖だった。

 明人は確信した。

 目の前のとびっきりの美少女はおばあちゃんだと。

 なら彼女の言った言葉は真実だ。

 ということはおばあちゃんは死んだのだ。

 そう考えると自然と涙が流れてきた。

 人の目など気にせず、明人は泣いた。

 泣かずにはいられなかった。

「ありがとう、明人君。君の涙は思いやりの涙ね。私とってもうれしいわ」

 絵津子は制服のポケットからハンカチを取りだし、明人の涙をふいた。

「さあ、お家に帰ろうか。まだ私には死神にもらった時間が残っているからね。今日の晩御飯は私が腕によりをかけて作ってあげるわ」

 絵津子はうでまくりして、言った。

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