05_美少女注目される

俺は自室で着替えを済まして1階に降りた。

いつもは1階のリビングのソファに服を置いていて、出かける時にしょうがないので着替えるという感じだったが、今日は堀園さんに片付けられてしまったので、着替えを取りに言った感じだ。


しかも、年ごろの女子に見られながらの着替えはハードルが高いので、自室で着替えて、降りていくことにしたのだ。

女の子が1人いるだけでいつもの動きは出来なくなるものだな・・・


下に降りると、堀園さんはリビングのソファに腰かけて待機していた。


「行こうか」


「はい、お願いします」


声をかけると、すっくと立ちあがって心の準備は既にできていたみたいだった。


『夕飯の買い物』ということなので、何となく近所のスーパーを目指すことにしたのだが、外に出て分かったことが2つある。


一つは、まだ3月で昼間でも少し肌寒いことだ。

一応、Tシャツだけではなく、その上からシャツを羽織ってきたが、上着もあったほうが良かったかもしれない。

日が照っている分、温かそうに見えたのだ。


もう一つは、美少女と歩くとすれ違った人がすごくこっちを見るということ。

俺の隣を歩いているので、俺も視線を感じる。

男女とも見てくるって相当じゃないかな。


普段の俺ではそんなことは一切ないからね。

すごく視線を感じる。


「その・・・気にならない?」


念のために視線のことを聞いてみよう。


「何がですか?」


「いや、気にならないならいいんだ」


「あ!」


やっぱり気になるのかな?


「セリカくん、私服かっこいいです」


「あ、ありがと」


うーん、変な催促をした痛い人になってしまった。

堀園さんは、周囲の視線は気になっていないみたいだ。

そりゃあ、生まれてからずっとこれだけかわいいんだ。

今に始まったことじゃないのかな。


「スーパーは近いんですか?」


堀園さんは、にこにこしている。

よし、きみを『ミス笑顔』に認定しよう。


「うーん、歩いて15分くらいかな」


「よかった、比較的近いですね」


「まあ・・・」


俺は料理が全く作れないので、ほとんどスーパーにはいかない。

しかも、歩いて15分は『遠い』という認識だった。

コンビニは家から歩いて5分の所に2件もあったから。


これは堀園さんと話しながら、馬鹿なことしか考えてないな。

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