Mysterious world
夜桜モナカ
第1話
―ねぇ、起きて。起きてくれないと困るの。
―加奈ちゃん?
…あれ?ここどこだろう?
気が付いたら、私はどこかの路地裏で横たわっていた。
体を少し起こして、周りを見渡してみる。
すべてが薄暗くて、赤と黒に染まったような街並み。
所々に砂嵐のように点滅する物体が転がっている。
赤くて小さな塵が空に吸い込まれていく。
建物はすべて廃墟と化していて、人の気配は全く無い。
「…よいしょっと」
フラフラとする足をしっかりと立てて、起き上がった。
風が止まない。常にどこからか吹き付けていた。
…私は、何故こんな所に倒れていたのだろう?
そもそも、ここはどこなのか。
…確か、私がここで目を覚ます前は…
「…えっと…何していたんだっけ…」
…分からなかった。何も思い出せない。
でも、これだけは分かる。
ここは、現実の世界じゃない。
…ここがどんな世界なのかは分からない。
だが、現実世界に帰る方法があるはずだ。
まずは、この街を歩き回ってみよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます