第6話 友待花
深山颪の吹き下ろす 里にこな雪舞う頃に
真皓きしびと装束の 友待花が咲くと言う
風花、玉雪、斑雪、灰雪、綿雪降りしきる
わりなき冬の長夜に散ることなく
柔き花弁を凍らせて 紅珠の如き実を結ぶ
水仙月の四日のまえ 雪童子が実を摘めば
其の実を友の形見と見立て
春の嵐の其の夜に 凍える命がないと云う
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