地球最強の幼稚園児編

僕はハルト五歳!

 アンデット達との戦いの二年後。

 僕は五歳になった。

 体も成長し、身長も百十五センチと周りより一回り大きく育ち、子供らしく絵本を呼んだりわちゃわちゃ遊んだりしないので、よく小学生に間違われたりもする。

 

 それもそのはず、中身がいい歳のおっさんだからだ。

 日課として早起きをし、フェンリルのフェストと一緒に散歩する。

 そしてそのまま山に入り戦闘訓練をして、技術を高める。

 スキルを使わなければ、同じくらいの力なのでとても良い訓練になる。

 ボロボロになった体に魔法をかけ、全身綺麗にし家に帰る。

 朝食を取り特にすることが無いので、ダンジョンの情報やダンジョン攻略動画を見てこの世界のレベルを知ったりする。

 お昼になり散歩に行き訓練。

 夕方になると散歩に行き訓練。

 これを毎日繰り返している。


 散歩兼訓練以外の他の時間は、アニメを見たりしている。

 最初の頃は勉強しなさい!と言われていたが漢字を書き、海外ドラマのリアルタイム翻訳。  

 そして大学レベルの計算問題を解き、答え合わせをさせようとすると、好きにしなさいと言われた。

 ちなみに、現在で大学卒業を余裕に卒業出来るだけの知識はある。


 ここまで来ると、同学年のレベルに合わせる事が難しくなる。

 一度公園でフェストを連れおままごとで、自分で作ったアクセサリーを売る定員をしていると、本格的になり過ぎて客が来て買っていこうとしたこともある。

 ちなみにお金ではなく物々交換として、ホテルでデザートを食べさせてくれた。


 その人はかなりのお金持ちらしく、契約しようとまで言い出し名刺を置いて気になったら電話してくれとまで言われた。お金に困ったら電話することにした。


 こうゆう理由で僕は幼稚園を行かない!とお母さんにわがままを言っている。今更お絵描きとかおままごとなどしたくないのだ。


  お母さんは僕の事を良く思っているので、勉強はいいから友達を作りなさい。早くしないとグループに入れなくなる!と急かしてきます。

 別に友達居なくてもいいのにと思うのだが、いつまでも心配かけたくないので、五歳になったら入園すると決めた。

 そしてその入園がもうすぐなのだ。不安しかない。タブレット持って行ってもいいかな?

 



 兄は就職して二年になり、何日も帰ってこない日があり、度々死んだような顔をして帰ってくる。

 そんな兄にいつもマッサージしながら回復魔法をかけ、疲れを癒してあげたりする。

 あまりホワイトな会社ではなく、と言うよりも真っ黒だ。

 完全なるブラック企業なのだ。

 一日中作業に追われ、定時になったら仕事を押し付けられ上司は帰宅。終わるまでは帰ることが出来ない。暴力も日常茶飯事。怒号を浴びせられ、精神が崩壊しそうになったことも数え切れないほどあるだろう。


 そんな会社なのに兄は、元気な顔で帰って何も無いような姿を見せている。

 昔の家族への対応を今も悔いていて、心配かけないようにしているのだ。

 とてもいい兄なのだが、壊れてしまわないか心配になる。

 できるだけ家では、支えてあげるようにしている。そして辞めるように促しながら。



 妹は天才だ。前世の記憶がある訳では無いのに、普通に大人と遜色そんしょく無い生活をしているのだ。末恐ろしい。

 さらに学力において僕より頭が良い。

 教えたもの全てを吸収し、派生させていく。

 正直化け物だ。


 末恐ろしいすぎて鑑定を使ってみたら、スキルに天才と書いてあった。

 内容的には努力次第で、全ての頂点に立つこともできるだそうだ。

 羨ましい。


 ちなみに僕のスキル欄には、アンデット戦の時に貰った(ファミリア)と前世からある(????)だ。

 僕のスキルなんだよ!

 このスキルの所為で、前世捨てられたんだからな!


 最近は妹に脳内戦闘をしたり、魔力増量トレーニングをしていたりする。

 三歳の子供に聞く事じゃないが、将来何になりたいと聞いたら楽にお金を稼ぎたいと言い、誰かの専業主婦が言いそうだ。しかも家政婦持ちの。

 あとは、ある程度防衛する力が欲しいらしいので魔法や武術の戦闘面を教えている。


 脳内での練習なのでリアルで出来るか分からないが、前世でのトップ位の実力はあると思われる。

 早く一緒に散歩に行ってみたいものだ。


 

 両親はいつも通り変わり無く、イチャイチャしている。


 ただお母さんは、最近僕に料理や家事を教えようとしてくる。

 特に洗濯物や掃除はすぐできるので、料理を中心に教えてくる。

 料理できる男はモテるや、一人暮らしする時料理が出来ないと大変だ、などと言うのだが五歳に言う言葉では無いとおもう。

 案の定思考を読んでみると、作りすぎてレパートリーがもう無い。考える時間が疲れるだった。


 仕方ない。お母さんとは全く違うジャンルを覚えて手伝ってやろう。

 といったように、たまに料理を作ったりしているのだ。

 

 お父さんは最近会社の売上が良くない様で、困った顔をする事が多くなっている。

 けれど休日は一緒にどこかに行ったりと、家族のことも忘れないとてもいいお父さんをしている。


 フェストは、一緒に訓練して強くなった以外は特に変わりない。

 体のサイズも変わりなく、自由に変えることが出来るらしく小さい方が沢山食べた気がするらしい。そのため好んで小さいままでいる。あとは妹と一緒に遊ぶ為らしい。


 フェストとの訓練のおかげで僕は、全盛期の半分に近い力を出すことかできるようになった。

 早く大きくなって思いっきり戦いたいな!

 そうだ!少し早いけど!散歩に行こうかな!


 「フェスト散歩だ!」

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