転生勇者先生 愛情なく最強になった僕は転生特典として愛情と美食を求めて地球で愛されながらゆっくり無双します

とがわゆい

家族編

弟子に裏切られて最強は死にました


第一話を開いていただきありがとうございます。


 初めの書いた作品ですので、誤字脱字おかしな点多々あると思います。優しく見守り教えて頂けると嬉しいです。

 作品としてありきたりだとつまらなくなると思うので、ひねった作品になっております。謎なところがありましたら質問してください。その後のストーリー内容について以外の質問では返答をできるだけしていきます。


 フォロー、☆、レビュー、感想等頂けるとモチベーションに繋がりますのでよろしくお願い致します。




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 深い夜、荒地には魔王呼ばれる者と魔王を討伐するために現れた勇者。そして勇者の弟子の女性を月が赤く照らしていた。


 張り詰めた空気の中、魔王と勇者の間にはいくつもの閃光が飛びかう。


 「勇者様はさすがだな。惚れ惚れするよ」

 「何だ。時間稼ぎのつもりか?」


 全身傷だらけの魔王は、勇者と剣を交えながら対話を試みていた。


  「そういう訳じゃないさ。見てくれよ私の体。ボロボロじゃないか。それなのにお前は、私から一撃も受けず圧倒している。それなら少しくらい、話に付き合っても良いのではないか?」


 敵は魔王だ。

 勇者は隙を突くためだと考え誘いには承諾しなかった。


 「遠慮させてもらおう。聞くなら死後の世界でだな」

 「・・・そうか。では、いさぎよく諦めるとしよう」


 魔王は勇者から距離を取って立ち止まり、出し続けていた殺気を消して武器を収納する。

 そして両腕を開いて、勇者へ全てをゆだね無抵抗での死を選んだようだった。


 「出来れば、最後に一番の大技で仕留めてくれないだろうか」 


 先程まで放っていた殺気は全く無く、更に目からは闘志を感じず筋肉や魔力の流れにも不自然な部分が無かった。その為魔王は本当に諦めたのだと解釈した。


 「分かった。冥土の土産だ。全力受け取るがいい」


 勇者は虐殺の限りを尽くした魔王は許せないが、最強を目指した強者としては称えており、道は違えど同じ場所目指した者として敬意を払い提案を承諾した。

 もちろん油断はせず、すぐに反応できるように緊張を張り詰めさせたままだ。

 そして勇者は、現在扱える最高火力の大技を使う為に空気中の魔力を限界まで集める。


 「地獄で自分の行いを悔い来世では改めるんだな」


 魔王に別れの言葉を告げて魔力を解放し、トドメを刺そうとした瞬間急に全身の魔力と力が抜け、地面に倒れ込みそうになる。

 だがかろうじて剣を地面に刺し杖の代わりにする事で何とか持ちこたえた。

 勇者はこの非常事態の謎を確かめる為に、体を立たせて顔を上げると周囲には強力な結界が張られている。


 「これはお前の力を無効化する為だけの専用結界だ」

 「何だと!?」

 「あわれなものだな」


 魔王は力の出ない勇者を蹴り飛ばした。そして地面に《は》這いつくばる姿を見下し、下卑た笑いが荒地を駆け抜ける。


 「まさか最強の勇者と名高いお前が自分の弟子に殺されるなんて」

 「どういう事だ!? 」


 魔王が訳の分からない事を言い勇者は理解が追いついていない。


 「今度は私が冥土の土産をやる番だな。お前が娘のように愛して育てた弟子は、初めて出会う前からこちら側の者だったんだよ」


 魔王が言っている意味は分かった。

 だが理解することは出来ない。

 脳が拒む。

 大事に育て愛情を注ぎ続けた弟子に裏切られたなんて、そんな訳があるはずないのだ。


 勇者は何とか立ち上がり、弟子の肩を強く掴み問いただす。だが帰ってくる言葉は一つだけだった。


 「嘘だ!嘘だと言ってくれ!」

 「ごめんなさい」

 「あんなに一緒に居たじゃないか!」

 「ごめんなさい」

 「一緒に修行したじゃないか!」

 「ごめんなさい」

 「一緒に魔王を倒そうと約束したじゃないか!」

 「ごめんなさい」

 「最初から騙していたのか」

 「ごめんなさい」

 「全部嘘だったのか」

 「・・・ごめん、なさい」


 勇者は弟子を娘のように思っていた。

 いや違う。

 一人ぼっちの勇者にとって本当の娘だった。

 だがそう思っていたのは一人だけのようだ。


 「最後まで私の正体が分からなかったようだしもう良いだろう。さっさと死ね!」


 静かな空間に風を斬る音がした。

 体の内側からは熱い液体が熱を奪い流れ出る。

 勇者の体には魔王の黒い腕が刺さっていたのだ。


 力が決壊で上手く出せず血が無くなり、まともに立つ事が出来なった勇者は魔王へ倒れ込んだ。

 勇者はもうじき死ぬだろう。


 呆気ない最後だったな。まさか愛した弟子に裏切られるなんて思いもしなかった。もう充分頑張っただろう。


 ・・・だがこのままタダで終わる訳にはいかない!


 「魔王、お前だけは絶対に許さない」


 その言葉をきっかけに、勇者は精密な魔力操作なんて関係なく無理やり荒地全体の魔力をかき集め体に入れていく。

 魔力量が体の限界を超えても更に詰め込み続ける。


 「おい!腕を返せ!」

 「絶対に離さない。お前も俺も死ぬのは一緒だ」


 魔王は焦り必死に腕を抜こうとするが、勇者は集めた魔力と筋肉を使い腕を固定して逃がさない。


 勇者の魔力が沢山詰まった体は発光していきだんだんと光りが強くなっていく。


 「仲良く逝こうじゃないか」


 強い光りと爆発音は、荒地を飲み込み惑星をも飲み込んでいった。


 その後勇者が魔王を連れて自爆した場所には、底が見えない穴だけを残して全てが消滅していた。

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