家に帰ったら推しの同期(ライバル)が居た件

やまちゃん

第一章

第1話 プロローグ

「女の子なのに女の子が好きなの?」

「それって付き合いたいの?」

私の趣味を人に話すとだいたい不思議な顔でそう言われる。


私、山田飛鳥(やまだあすか)は女の子のアイドルが好きだ。

毎週末、隣街のライブハウスに通っている。

私は高二で私の推しメンは高三。

同じ女子高生で、だけど、私は推しメンのリリアちゃんの

本名も住んでる場所もメッセージアプリのアイコンも知らない。


私の推しメンは地下アイドルで、

地下アイドルは距離が近いなんて言うけれど。

友達なんかとはもちろんぜんぜん違う。


だけど、付き合いたいとか恋愛としての好きとも違う。

何で毎週末ライブに通うのかと言われたら、

リリアちゃんは世界でいちばん可愛いから。

そう本気で思っていたし、その気持ちが揺らぐ日なんか来ないと思っていた。


例えば、家に帰ったら

アイドルでなんか見たことある顔で……

推しと同じグループの女の子との同居生活が、いきなり始まったとしても。


そんなことはたいしたことじゃないと思っていた。

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