第49話 悲鳴

カギーー開けてくれぇぇぇ。


誰かぁ、助けてくれぇぇぇ。


高橋達也の情けない遠吠えが聞こえてくる。


「ーー成功、だな」


ちょっとした嫌がらせだ。

橋爪の娘を、殺したこの男にーー。


「ーー見たか、あの情けない顔?」


「ちょっとスッキリした。山中さん、協力してくれてありがとうございますーー自室に戻るのでカギかけてください」


「あぁ、わかった」


時刻は深夜の3時半を過ぎたところだった。

あの男の情けない顔を見れただけで、俺は復讐成功だと思った。


ーー殺しはしない。

ーー絶対に、人殺しだけはーー。



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