第45話 事情聴取

取り調べ室。


狭いだけの小部屋に呼ばれ、警察官二人が俺を囲むように入り口側に立つ。


「山崎拓海、、もう一度確認するぞ!」


「はい」


「目撃証人がいる、というのは本当なのか?」


「はい。俺、その方から現場を見たって話を聞いたんで間違いないと思います」


「その方の名前は?」


「笠原佐知子さんです」


「今うちの若いのが確認に行ったんですがねーー笠原さんは、そんなのは見ていないって言ってましてね」


「え?そんなはずはーー」


拓海が黙り混む。


「でも、俺がやったんです。迷って迷ってやっと自首したんだ」


「でも、証拠がないんじゃもー帰っていーぞ」


ーーったく人騒がせな、、。


警察官がため息混じりにぼやいた。


「ーーだから、俺が殺したんですよ!鈴木カイトを」


「あぁ、わかったわかった」


大きなため息をこぼす。


「でも、証拠もなければ証人もいない。だから帰っていいと言ってるんだ」


警察官が怒ったような口調で言った。

追い返されるようにして、山崎拓海は拘置所から外に出された。


警察官に俺の罪を無視された。

せっかく覚悟を決めて自首したのにーー追い出されてしまうなんて。

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