第42話 橋爪直人、笠原佐知子

ーー拓海だろうか?


ドキドキしながら、刑務官に導かれるまま、直人は面会室へと急いだ。

そこには、笠原佐知子がいた。


「ーー久しぶり。なぜ、こんな嘘をついたの?」


突然、そう問いかけられた。


ーーウソ?ウソって何の??


意味がわからない。


「ーーってゆーか、何でお前がここにいるんだ?」


「ホームレスのお友だちに聞いたのよ!」


「ところで、ウソって何のことだ?」


「あなたが人を殺していない事は、わかってるの!、、だって私、あの現場を目撃しちゃったんだから」


「ーーいいか、その事は誰にも言うな!」


直人は面会室のガラスに顔をくっつけて言った。


「もー下手なウソをつく必要ないわよ!だって、犯人が自首したんだから」


「どーして俺の邪魔をするんだ!!」


「邪魔??ーー何の事よ?」


ーーバン。


机のような部分を力任せに叩いた。


「俺にはある計画があるのに、どうして邪魔をするんだ!!」


「ーー計画?まさかその為にホームレスに??」


笠原が直人に向かって言った。


「そうだ。それなのにーー」


「ーーで、その計画とは??」


笠原が言う。


「それはまだ言えない。。だが、拓海の力が必要なんだ。。だから、拓海を自由にしておいてくれ!余計な事は言わないでくれ!」


直人は自信ありげな顔でそう言った。


ーー大丈夫。

ーー必ず成功する。

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