第28話 手紙

拝啓


橋爪直人さま。


その節はいろいろとお世話になりました。

一つだけ聞きたい事があり、面会に行きましたが、残念ながらお会い出来なかったので、手紙を出しました。


ーーなぜ、あなたは俺の身代わりになっているんですか?


ーーなぜ、俺の罪を被るような事を、、?


あなたの真意が知りたくて、お手紙しました。お返事お待ちしています。



山崎 拓海



必要最低限の事だけを書き、とりあえず手紙を郵送する。

ーー橋爪さんは返事してくれるだろうか?


今となれば、あまり見る事がない郵便ポストにその手紙を放り込む。

後は橋爪さんに任せる事にした。


その後数日が経ったが、彼からは何の音沙汰もなかった。

どうやら俺は橋爪さんに嫌われてしまったのかも知れない。


ーーまた、か。


俺の周りの人間は、必ず俺を裏切る。

橋爪さんも、、そうなんだろう。


ーー俺はまた一人になってしまった、、。


人はなぜ裏切るのだろう。

そして俺はなぜ、いつも一人なんだろう。


遠くの空を眺めた。


ーーいつも、、。

ーーいつもコレばっかりだ、、。

ーー俺はいつもヒトリだ、、。

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