第2話 御代田の提案

「え??」


「だから、天谷くんのこと、、、、え、違うの?」


聞き間違いで無ければ御代田は俺が天谷のことを好きではないかと言っている。


、、、、、全然違う....!!


どういうことなんだ、どうしてそういうことになるのか全く分からん。


「あの、どうして俺が天谷のことを好きだと思ったんだ、、、?」


「え、いやだっていつも天谷くんのことを愛おしそうにニヤニヤしながら見つめてるし。」


愛おしそうにというのは分からんが、友人だから話すときは顔を見るし、面白い話をしてたら笑う。


「いつも一緒にいて、スキンシップも多いし、俺のもの感があるというか。」


まあクラス一緒だし昔からの付き合いだから一緒にいて、スキンシップ?もあるかもしれないが、断じて俺のもの感は出していない。


「私のこともジロジロ見てるから、私が天谷くんのことを好きだということを気付いていて牽制しようとしてるのかと思って、、、。違うのかな?」


、、、、残念ながら全く違うぞ御代田。


だけど今違うと言えば、じゃあどうしてジロジロ見ているのかということになる。


『俺が好きなのは、御代田だよ。ずっと君を見てた。』


『きも。』


これはダメだ。


『俺は君が好きなんだ!天谷なんか見ていない!』


『きも。』


これもダメだ。


『俺は君しか見ていない。好きだ、御代田。』


『きも。』


、、、もうダメだ。

どう言っても結局、御代田にきもと言われて終わりそうだ。

きもいクラスメイトになるのは絶対に避けたい。もっと良い方法があるはずだ、考えろ。


御代田的には俺が天谷のことを好きだと思っているわけで、今見た感じそういうことに偏見はないらしい。

これは適当な相槌を打って流すというのもありかもしれない。

言いづらいみたいな雰囲気を出して逃げ切ろう。


「まあ、うーん。どうだろ、ははは。」


なんとか引き下がってくれ。


「、、、じゃあ、天谷くんのどういうところが好きなの?」


そんなことを考えていると御代田から新たな質問が来た。


「え、どういうところって、、、」


天谷のことなんて考えたことないぞ。

良いところ、良いところ、、、


「結構大胆で面白いところかな。」


「、、、うん、分かってるじゃない。」


お、良い感じだな。そうそうみたいな顔をしている。


「あとは?」


「顔とか?」


「まあ、そこそこ良い顔してるもんね。あとは?」


これはどこまで聞いてくるんだ。

俺は御代田が好きなんだよ。


もうなんとなく御代田の好きなところを思い浮かべて言えばなんかそれっぽくなるかもしれない。


「仕草とか性格とかかな?」


なんか可愛いんだよなぁ


「何そのふわっとした感じ、、、それ全部じゃない。」


「んー、俺も何で好きなのか今だによく分かってなくてさ。」


「ふーん。」


本当に自分でもふわっとしてると思う。好意は寄せているが多分すごく惚れているというよりかは気になっていてちょっと好きになってるみたいな状態なのだろう。

御代田のことまだ全然知らないしな。


「まあ、詳しく言うと笑った時の目が細くなる感じとか、髪が揺れたときすごく良い匂いがするところとか、授業中眠気に必死で耐えようとしてるとことか、お弁当を美味しそうに頬張ってるところとか、嬉しいことや楽しいことがあると廊下をたまにスキップしちゃってるとことか、掃除も意外と丁寧にやってて偉いなとか」


「もう大丈夫。、、、羨ましい、いつも一緒にいるといろんな姿を見れるのね...!というか天谷くんも廊下スキップするんだ、、一緒だ。」


「気になっちゃってつい目で追ったり、見ていたくなったりするんだよね。」


「、、、それは、分かる。」


「え?」


「私も気になるし知りたくて目で追っちゃう。見れば見るほどなんかドキドキしちゃって、、。」


「そうなんだ。あはは」


恥ずかしそうに目を逸らしていた御代田だが、少し経って何か覚悟を決めたみたいな顔で俺の机に両手を置いて、顔を近づけてきた。


「うお、、。」


「あのさ、、、私と」


「うん、、、。」


「ライバル協定を結ぶっていうのはどう?」


「、、、、、あ、えっと、あの、、ライバル協定とは、、、?」


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