第21話 愛とキスと.....変わり始めた芽美?

ちょ。ちょっと待て。

俺は一体何をされるんだ?、と思いながら芽美を見る。

芽美は俺をジッと見てきていた。

それから、みんなには内緒だよ、と言いながら。

俺の頬に両手を添えてくる。


そして.....そのまま唇にキスをされた。

俺は、!?、と思いながら見ていると芽美は顔を離してからそのまま真っ赤になったまま俺を見てくる。

ど。どんな感じだった、と聞いてくる.....いや。

無理なんですけど感想とか。


「お前。め、芽美.....」


「私だって君の事は好きなんだから。負けられないから。年下でも」


「.....!」


「.....私.....やっぱり君が好きだな。.....ずっと。ゴメンね最初の頃は」


「芽美.....」


でもね。

君の気持ちを理解出来るから。

私は何も言わないからね。


そう言いながら俺を見てくる芽美。

俺はその姿に、有難うな、と言いながら.....赤くなる。

困ったもんだな、と思う。

俺はそう考えながら芽美を見る。


「私は待ってる。君の答えを」


「.....ゴメンな。芽美。.....根性無しで本当に御免な」


「良いの。.....だって和奈だから」


「!」


言いながら芽美はまた俺の顔に触れてくる。

それから俺の手を腰に回して促して顔を上げて促してきた。

もう一回して良い?、と言いながら、だ。


何だか複雑だったがこの場で否定すると.....、と思ったので。

俺はもう一回だけだぞ、と言いながらキスをした。

柔らかい桃の味がする。


「.....えへへ。やっぱり良いな。好きな人とのキス」


「お前な.....キスは普通は恋人同士でするもんだぞ」


「私達の関係は特別だから良いの」


「.....ハァ.....」


すると芽美は鍵を外した。

それから、じゃあ戻ろうか、と言ってくる。

俺はその姿に、相変わらずだな、と思う。


そして教室まで戻る。

で。戸畑に詰め寄られてしまった。

何していたんだお前は、と。

俺達は顔を見合わせてから笑みを浮かべて。

職員室だ、と答えた。



遂に俺を好きだと言った3人とキスをしてしまったのだが。

俺は馬鹿な事をしてしまったな本当に。

考えながら俺は.....額に手を添える。

それから盛大に溜息を吐くと。


「幸せ逃げるよ?」


と女の子の声がした。

芽美だ。

俺はそのニコニコしている姿に、うるせぇな、と答える。

芽美は苦笑した。


「ねえ。今日一緒に食堂行かない?」


「.....そうだな。食堂飯も良いかも知れないな」


「でしょ?じゃあ行こうか。.....あ。戸畑君誘おうか?」


「戸畑はなんか用事があるらしい。.....行くとするならお前と2人になるぞ」


「そ、そうなんだ.....え、エヘヘ」


かなり嬉しそうな顔をする芽美。

俺はその姿にハッとしてボッと赤面した。

そうか.....、と思いながら、だ。

するとそんな顔に気がついた様に芽美は、デートみたいだね、と言ってくる。

俺は首を振った。


「お前な。マジにデートとか言うなよ。かなり恥ずかしいんだぞ俺も」


「そ、そうだね。あはは。あははは」


「いやいや。全く」


「まあまあ。とにかく行こうよ」


それから俺の手を引きながらそのまま引き摺って行く芽美。

俺は苦笑しながらも。

そのままゆっくり歩いて行く。

そして食堂にやって来た。

それから食券を買う為に券売機に向かう。


「今日は奢る。私が」


「何を言っているんだお前は。俺が払うに決まっているだろう。俺は男だぞ」


「良いから!.....私が払うの。じゃないとキスした事をバラすよ?色々な人に」


「おいバカやめろ。それはかなりマズいだろ」


「じゃあ誘った分の奢りね」


嬉しそうにはにかむ芽美。

俺は盛大に溜息を吐く。

それから笑みを浮かべて芽美を見る。

食券を鼻歌交じりで購入する芽美を、だ。

全くな、と思いながら芽美を見つめた。


「私は君が好きだから幸せも分かち合いたいからねぇ。そういうもんだよ。あはは」


「あのな.....」


「何でも半分こね」


「ったく」


俺は苦笑いを浮かべながら見ると、で。和奈は何にする?、と芽美が聞いてきた。

その姿に俺は、じゃあ定食Aにするわ、と話してみる。

じゃあそれね。大盛りでだね、と笑顔で言ってきた芽美。

それから食券を買って渡してきた。


「ね。和奈」

 

「何だ?」


「和奈に会ってほしい人が居るんだけど放課後に付き合ってくれない?」


「誰だ?」


「私のおばあちゃんだね」


ああ。飯田ツネさんか。

思いながら俺は芽美を見るが。

だが芽美は深刻な顔をした。

俺は?を浮かべる。

そうしていると芽美は拳を握って語り出した。


「実は末期で長くは無いと思うんだ。大切なおばあちゃんだから.....直ぐに会ってくれない?」


「あんなに元気だったのにか!?そんな事になっていたのか!?」


「.....うん。この前だけど調子悪くて.....胃がんの末期って分かったんだ。だけど言い出し辛くて。ゴメン」


「成程な。そうだったのか」


「だから大切な人に会ってほしい。大切な貴方だからね」


言いながら唇を噛み。

オボンを持ってから芽美はそのまま食券を食堂のおばちゃんに渡しに行ってから俺はその姿に眉を顰める。

それから歩いてオボンを持ってからおばちゃんに同じ様に食券を渡しに行った。


そして食事を一個づつ受け取る。

待っている学生達を確認しながら俺は最後の食事を受け取る。

そして手を振ってから先に歩いて行った芽美を追う。


芽美は椅子に座ってゆっくり待っていた。

俺はその姿に、すまん、と言いながら座る。

そんな芽美は首を振る。

それから笑顔を浮かべてからオカズを渡してくる。

こんなにオカズは食べれないから、と言いながら、だ。


「芽美。俺もこんなに食べれんぞ」


「食べなさい。成長期だよ。あはは」


「いやいや。お前も成長期だぞ!」


「私はこの胸がFから更に大きくなるだけだしぃ?」


「おま!この人混みがある場所でいきなり何を言うか!」


ニヤニヤとする芽美。

俺はその姿に赤面で盛大に溜息をまた吐く。

それから、全く、と言いながら芽美からオカズを受け取ってから後頭部をガリガリ掻居てからそれから俺は取り敢えず、いただきます、と言う。

すると芽美も手を合わせた。


「うんうん。いただきます♪」


「お前何か?オカンか?全く」


「そうとも言うかな。和奈の第二のオカンでも良いよアハハ」


「そうとも言うかなって.....」


「アハハ。まあまあ。ささ。食べよう」


そんな感じで話しながら俺を嬉しそうにニコニコしながら見てくる芽美。

まるで何か新婚の様なそんな有様だった。

俺はその姿に鼻息を出しながら口角を上げつつ食べ始める。

うん。美味いな食堂飯。

久々だが、だ。


「そう言えば.....和奈」


「.....何だ」


「私と天龍ちゃんと天翔ちゃん。誰のキスが良い?」


「.....」


無言で喉にご飯を詰まらせた俺。

何を言ってんだコイツは.....。

ゲホゲホ!!!!!

慌てる芽美を他所に咳き込みながら水を飲み干した。

馬鹿野郎めが.....。


「お前な.....止めろってそういうの。ビックリする」


「だって和奈。テクニックを使ったから。恋人にするテクニック」


「.....」


「エヘヘ。エヘヘ」


コイツ.....何かキスしてから頭のネジが吹き飛んでないか?

思いながら俺は次にどんな言葉を打ちかますか分からないので少食で昼食を食べた。

恐ろしいもんだな.....女子ってのはマジに。

思いつつ、だ。

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