第22話
海と言うのが私は苦手です。人類が調べた海は僅か数%と聞いた事があります。本当かどうかは自分で調べて下さい。しかしそれが本当だったとして、本当だったとするならば、海というのはまだまだ未知の世界という事になります。ドキュメント番組でクジラを撮影する撮影クルー、巨大イカを撮影するクルー、荒れ狂う海の中カニ漁をする漁師、いえ普通の漁師ももちろんそれに含まれています。海と言う場所で仕事をする方々は本当にすごい度胸をお持ちだと思っています。もちろん海が嫌いでいやいやながら仕事している人もいるのでしょうが、ですが、私は海を近くで見るだけで恐怖心が湧いて来てしまうのです。生物は海から誕生したと言うのに、まあそれも見たわけではないから私は信じていないのですが。少し離れた場所から海を眺める分にはそれはそれは海はとても壮快で自然の美しさを感じる事が出来ます。ですので、人には人それぞれに見合った距離と言うのが存在しているという話をしたかったのです。その人にはその人にあった距離感で接する事はやはり生きて行く上で大事なのではないでしょうか。だからやりたくない仕事をやらざるを得ない時もあるでしょうが、もちろん人間が生きて行くにはお金が必要ですので。もちろんやってみなければ自分のやりたい仕事は分からないなど言う人もいるでしょう。実際そういう場合もあるかもしれません。ですが私はそれはある種無責任が伴うと思っています。サービス業で稼ぎが良いからと自分を売る事を勧める輩がいたとして、それを一度やってみないと自分に合っているか分からないなどと言う輩がいたとして、それは人に良い事を勧めているふりをしている、悪魔のささやきに他ならないと私は思うのです。いえ、間違いなくそうであると断言出来ましょう。自分の体は人生は一度きりなのです。なので自分自身でそれが本当にやりたい事なのか、やってみたい事なのか、よく考える必要があるでしょう。生涯後悔しない為に。もしそれで考える余裕を与えないで迫って来る場合はなお怪しいでしょう。時間切れという不安を煽って、損するかもしれないという気持ちにさせる手法を相手は使って来るのです。一言で言えば下衆なのですよ。
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