第14話 治斗が着替えているときの妹の反応(鴻視点)

「なぁ、本気でやってんの?」

「あったり前じゃん。気合い入ってるよ」


治のことだからなぁ。どうせ何着ても似合うんだろうけど。あの童顔だし。女子用の服を着せようってのも変な話だ。


あと朝っぱらから付き合わせないでくれるかな?普通に眠い。

部活の遠征夜までかかるって伝えたはずなんだけどなぁ。なんなら帰ってきたの深夜1時とかだってのに。


………まぁ、こうやってぶつぶつものを言ってもこいつには効かないことは疾うに知っている。


治は、会ったとき「ごめんね」って一応言ってくれた。それすらなかったら俺は死んでる。


「にしても、どれだけ待たせる気だよ」

「治君?早くしようね」

「やだぁ」


……、ダメだ。煩悩退散。煩悩退散。一瞬だけ可愛いとか思ってしまったとか知らない知らない。


意地でも着させたい妹と絶対に着たくない治の攻防は速攻で治が折れてた。不憫だな。


「良い?」

「うん。早く顔だけじゃなくて全体見せて」


なんでそんなワクワクしてんだよ…。


しかし、治が出てくれば、今までの妹の反応もわかる気がした。

単純に可愛い。それだけだった。まぁそこから着せ替え人形になってしまったのは、可哀想だったが。……、合掌。


その後、なんだかんだ光に文句を垂れ流していた治は、試着した女性ものの服の何着かは購入していた。

………………気に入ったのかよ……。










少し飛び飛びにはなりますが、次回から2学期編になります。(これからもっとラブコメらしくなると思います。)

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