ミッドナイト・ブルー

@kakashi_miyabina

さよならが終わって

君の目がぼくは見れなかった

あまりに眩しい涙だと思ったから

街灯のオレンジ色がぼくたちを包み込んで

冷たい雨から守ってくれたかどうかは定かではない

ぼくのブーツは足元のコンクリにずぶずぶと沈んでいって

捻れた時間に飲み込まれながら四畳半のアパートに引き戻される最中、

もう何も見えなかったけど

君の物憂げな溜息がかすかに聞こえた


窓の外はいつまでも暗い

発情した猫の唸り声とサイレンの音ばかりが建物に響いている

目を覚ましてふとSNSを覗くと

果たして君は笑っていた

ぼくが見た君の涙は

そもそもぼくにしか見えてなかったみたいだ

心臓が弾け飛んで、部屋は血だらけだ

片足は捩じ切れて骨が砕けた

深い夜空の揺籠に抱かれて

名前も知られぬ壊れた肉体が

いつまでも消えずに震えている



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