エピローグ
「ふふふ」
放課後。
基本的にいつも、僕や勇者、聖女たちが集まっている図書館に僕とサーシャはいた。
僕は本を読み、サーシャは僕を膝の上に乗せて嬉しそうに微笑んでいる。
ペラ─────ペラ─────
僕が本をめくる音と、時折漏らすサーシャの笑い声だけがこの静かな図書館の中に響いていた。
「「あーッ!!!」」
静かな図書館に大きな声と、とたばたとした音が響く。
「あぁ」
僕は本から視線を上げる。
来たのだろう。ルトたちが。
「ちょっと!私の場所なんだけど?」
「いや!そこの場所は私が受け継いだでござる」
「いや、受け継がせた記憶はないわよ?」
マリアとリリネが僕とサーシャの回りでわぁーわぁー騒いでいる。
他の聖女たちはそれを見て苦笑しながら各々席に座った。
ルトはなんとも言えないような表情でそれを眺めている。
「……あ、あげません」
サーシャがためらいがちに僕をぎゅっと抱きしめ、
豊かな。サーシャの豊かなお胸が僕の頭に押し付けられる……暑苦しい。
「……むむ!私だって上げないよ!}
「そうでござるよ!あげるつもりはサラサラないでござる!」
「……い、いやです」
三人が睨み合う。
……サーシャはともなく、なんでマリアとリリネの好感度はこんなに高いの?サーシャは僕が好感度をあげようとしたからわかるのだが、
リリネとは……色々あったけど、僕のことを好きになる理由はよくわからないし、もしあれで僕のことを好きになったとしたらチョロすぎるし。
マリアなんかは意味がわからない。
というか……そもそもなんでマリアは僕のことを対して好きだと思っていないのに、まるで僕のことが好きかのように振る舞っているのだろう?
「わ、私には……アウゼス君しか居ませんから……」
サーシャのその一言。
「「……」」
それを前にマリアとリリネは体を硬直させ、黙る。自分の育て親であり師匠出会った人が殺された。それはすでにみんなが知っている事実だった。
……嘘つき。
「よっと。そろそろ帰る。やらなきゃいけないことがあるから」
僕はその場を逃げるように去った。
……なんで……なんで、僕が逃げているんだし……そういうのはすでに……捨てたはずだろう……。
僕を好きになる人なんて誰もいないのだ。
僕がいかにゴミのような人間であるか、僕が一番知っているのだから。
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