エピローグ
「ふぇぇ。良かったですぅ。死んじゃったかと思ったんですよぉー」
パルちゃんがガシッと僕のことを掴み、ほっぺすりすりしている。
「……よく戻ってこれたわね……」
「いや、そもそも迷子になったってなんだ?あんなに足取りしっかりと俺らを案内していたのになんでお前が迷うんだ……」
僕はパルちゃんとガンクスとニーナに、帰ってこれなかった理由は迷子になって飛行船に置いていかれたからと説明した。
そんな僕の説明に疑問を覚えたガンクスが言葉を口にする。
「いや、ちょうちょう追いかけていたら……なんか置いていかれちゃったよね。うん」
「ちょうちょう追いかけてた!?それが一番わからないのだけども?」
ガンクスとニーナからはなんか知らないけど冷たい目で見られる。……まぁそれが正しい反応なんだけど冷たい目で僕を見てくるのは辞めてほしい。
僕は和の国から勇者たちと同じ飛行船に乗って帰ってきた。
勇者たちからは驚かれた。なんでお前がここに!?と。そういえば僕はみんなの前に姿を晒していなかったね。うん。
水の聖女は暫くの間置いていくことになった。和の国に。
僕は死んだ扱いされていたので、帰ってきてからも色々と大変だった。
こっちに帰ってくるのにも時間がかかり、諸々の手続きにも時間がかかり、復学するのにかなりの時間がかかってしまった。
「まぁまぁ。楽しかったよ?」
「……内戦状態の国に置いていかれる状況で楽しかったと言うことが出来るお前が俺は心底恐ろしい……」
ガンクスからは恐れの視線を、ニーナからは興味深そうな視線を向けられる。
……ニーナは何?
なんかちょっと怖いんだけど……?
「はーい!HRするからみんな早く席についてー」
僕たちが久しぶりに四人で雑談していると、教室のドアを開け、マリア先生が入ってくる。
「ほら、自分の席に行って」
「はいです!」
僕にしがみついていたパルちゃんが元気よく返事をして僕の元から離れていく。
クラスメートのみんなが自分の席に戻ったを確認してからマリア先生が口を開く。
「えー今日実はとある国から留学生が来ています」
……ん?
僕はマリア先生のその言葉に首を傾げる。
え……まさか?
「では、入ってきてください」
マリア先生の言葉とともに入ってくる一人の少女。
その少女は───────
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