第14話

 修学旅行の一日目。

 それがもう終わりを向かえようとしていた。

 空はすっかり昏く染まっている。

 宿泊する施設にいる僕たちは食堂に集められ、美味しく夜ご飯を頂いていた。


「……んぅ……にゅ……」

 

 僕の目の前で一生懸命箸を握り、格闘するパルちゃん。

 

「もぐもぐ」

 

 僕はそんなパルちゃんを眺めながら目の前の食事をいただく。

 今日のメニューはお刺身定食だ。生の魚を食べるということに忌避感を抱いている生徒もいるようだったが、実際食べたら全員手のひらをひっくり返し、美味しい美味しいと絶賛していた。まぁ、無理な人もいたけど。そんな人には焼き魚が出されていた。

 ちなみにだが、前世僕が大好きだった茶碗蒸しもメニューの一つとして出てきてめちゃくちゃテンションが上がった。


「パルちゃん諦めてフォークを使ったら?」


 ファウスト王国に箸はない。食事の際に使われるのはナイフ、フォーク、スプーンだ。

 だが、ここ和の国で使われるのは箸だ。

 だからこそ今回の夜ご飯の席にも箸も出されている。

 まぁ箸を使っているのなんて僕と、ただいま苦戦中のパルちゃんだけだ。

 それ以外の人たちはフォークを使っている。


「嫌です。アウゼスくんが使っているなら私も使いたいんです!」


「ふー。そうか。じゃあ使い方を教えてあげるよ」

 

 パルちゃんの意思が固いと思った僕はパルちゃんの元に向かい、箸の使い方をレクチャーしていく。


 パルちゃんは思ったよりも器用で、教えたら案外すぐに使えるようになってしまった。


「ふふふ。これでお揃いですね!」


「ん。そうだね。時間ももう無いから急いで食べて」


「はいです!」

 

 ■■■■■

 

 夜。町が静かになり、部屋を魔法の炎だけが照らすだけとなった部屋。

 そこに僕とガンクスとニーナとパルちゃんがいた。寝る部屋は自由行動のメンバーで固定だ。

 男女混合ってすごいよね。不純異性交遊っていう概念がおそらく無いのだろう。


「ふわぁ」

 

 来るときにずっと眠っていたパルちゃんはすでにお眠である。


「もう寝ようか」


「えぇ。そうしましょうか」


「少し早いが、パルシアもいることだしな」


 各々が自分の分の布団に横になる。……布団なんて久しぶりだ。

 

「消すわよ」

 

 ニーナが一言。

 その一言共にこの場が暗闇に包まれるようになる。

 部屋を照らしていた炎魔法をニーナが解除したのだ。


「「「おやすみ」」」

 

「ふわぁふー。おやすみなさいですぅー」

 

 僕以外の三人が夢の中へと落ちた。

 僕は目覚める。

  

 一匹の吸血鬼として──────

 


 初めてプロット(この章の分だけ)とか言うものを書いて、今めちゃくちゃモチベが上がっている。しばらく更新頻度上がると思う。

 ところで投稿時間はどの時間帯がいいんだろうか?

 単純に元々僕が寝る前に投稿していたから、11時くらいの時間に投稿しているんだけど、実際読者さんは何時くらいに見るのだろうか?教えてくれたら喜ぶ。僕が。

 茶碗蒸しは至高。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る