エピローグ
「ふーん。なるほどねー」
王都。
王城の屋上で僕は綺麗なお月様を眺めながら喰らった記憶を吟味する。
喰らった記憶をまとめるのは結構大変なので、こうして時間があるときに一人で物思いにふける必要があるのだ。
とある組織の幹部だったギンザラ。
彼を喰らい、得られた記憶は非常に有能なものだった。
以前喰らった幹部であるザラリオとはマジで格が違うくらいの情報量の差だ。
まぁザラリオは幹部になったばかりだったらしいので、仕方ないらしいが。
それでもファートゥム以外の幹部の吸血鬼、誰も知らないのは可哀想だ。
とある組織。その組織の全貌がようやく手に入った。
今までずっとリーダー不明だったとある組織。そのリーダーはファートゥムなんだそうだ。ファートゥムをトップにファートゥムをあわせて全部で9人の幹部。そのうちの二人はすでに殺されているので、残り6人といった感じだ。
他の幹部たちの血鬼能力を把握できたのも大きい。
今後の戦うことになるだろうから、その時かなり役立ってくれるだろう。
とある組織。
その全貌よりも遥かに重要な情報をファートゥムは握っていた。
「悪魔崇拝者、ねぇー」
最早半ば伝説上となっている悪魔崇拝者。マリアお姉ちゃんの命を狙っている悪魔崇拝者。
それが僕のひとまずの敵だった。
彼らの目的は簡単。
以前僕が読んだ本に書かれていた『七人の少女の生贄は神へと捧げられ、厄災の誕生を祝福する。彼女らは孕み、絶望する。自らは厄災と奇跡を体現させ、奇跡と厄災の衝突を見届けん』という言葉をそのまま再現しようとしているらしい。
……なんで僕がたまたま読んだだけの本に敵の目的が乗っているんだ……ご都合主義か……。
まぁいいけどさ。
書いてある七人の少女が聖女のことらしい。
なんで神への生贄と捧げられるマリアお姉ちゃんを殺そうとしているのかは謎でしか無いのだが……。
何のためにマリアお姉ちゃんを殺すのか、その理由を残念ながらギンザラは知らなかった。
だが、悪魔崇拝者の連中が『七人の少女の生贄は神へと捧げられ、厄災の誕生を祝福する。彼女らは孕み、絶望する。自らは厄災と奇跡を体現させ、奇跡と厄災の衝突を見届けん』と叫んでいる記憶があるので、まぁ悪魔崇拝者の目的はあっているだろう。
悪魔崇拝者とかいうとんでもない考えをしている狂人の考えなんて僕がわかるわけないので、まぁ考えるだけ無駄だろう。
「敵が見えた。ようやく一歩前進。これでようやくメインストーリーのラストに近づけたかな?」
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