第4話
僕達が試験会場として連れてこられたのはダンジョン。
どうやらこの学園はダンジョンの上に建てられているらしい。
ダンジョンの上に学園を建てるとか正気の沙汰じゃないな。
ちなみにダンジョンとは、何故か人間に敵対的な生物、モンスターや様々な宝物が入っている宝箱、異常なまでの強さを持つボスモンスターなどが配置されている謎のエリアだ。なんでダンジョンがあるのか、ダンジョンはどこまで続いているのかそれすらもよくわかっていない。
ダンジョン内に置かれている宝箱に入っている宝物は高値で売れる物が多く、ダンジョン内に生えている謎の結晶は魔法を使うのを補助したり、魔力を込めるだけで魔法が発動するような魔道具を作るのに必要なものであり、高値で取引される。
そのためダンジョンには多くの冒険者が押しかけ、ダンジョンの近くの町は栄える。
しかし、ダンジョンにはそれ相応のデメリットも存在する。
ダンジョンではごく不定期にダンジョンからモンスターが溢れ出てくることがあるのだ。
それはダンジョンスタンピードと呼ばれる。
大量のモンスターが町に押し寄せる様は凄まじく、まさに地獄そのもの。僕がダンジョンスタンピードに巻き込まれたときなんかものすごく大変だった。
そんな爆弾のようなダンジョンの上に学園を建てるとか本当に正気の沙汰じゃない。
前世ではありえないことだろう。
マジありえないわぁ。
ちなみにだが、僕がゲームしていた途中のところでは学校の下にダンジョンがあるなんてわからなかった。
確かに本編のゲームでもこんな感じのところには来たが、それがダンジョンであることなんて教えられていない。
今の僕はダンジョンについての知識があるから、ここがダンジョンだってわかるんだけど。
「よし!それでは試験を開始する!」
僕達が連れてこられたのは宝箱が一つ置かれただけの小さな一つの部屋。
そこにはモンスターも何もいなかった。
「ぶつぶつ」
マリア先生が宝箱の前で何かしらの魔法の詠唱を唱える。
すると、何もしていないのにひとりでに宝箱の蓋が開く。
し、心霊現象だ!
まぁ、普通に魔法なんだけど。
宝箱からまるでゲロのように液体が噴き出し、吹き出された液体は武器となって地面に転がる。
おぉ、結構すごい。そこそこ位の高い魔道具じゃんか。
ガイア先生は元々持っていた大剣を使わずに、宝箱から出てきた大剣を手に取る。
……なんで?何のための大剣?
「よし!これからここにモンスターを召喚させる!そして各々が自由にここに置かれている武器を使いモンスターと戦ってもらう。自前の武器は悪いが使用しないでくれ。では各自武器を選んでくれ」
僕は適当な長さの剣を選び手に持つ。
ふむ……特殊な素材で作られた魔道具……。
まぁ別にこの試験によって学園に落ちることはない。入学は確定している。気楽に行こうじゃないか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます