【シナモンの遺言】

※五話公開前に特定PCに公開


貴方が探索をしていると、本屋からブラウニーが飛び出してきた。

はくはくと緊張した様子で何かを差し出す。

クロッキー帳、表紙に10号とかいてある。

それに苛立ちを覚え「あんたなに」と吐き捨てると、

そいつは「き、きゅぅごぅ」といってクロッキー帳を押し付ける。

貴方が反射的に持つと、そいつは、安心したように笑って、

風景ににじむように消えてなくなった。


クロッキー帳には、一枚だけ絵が描かれていた。

貴方の絵だ。

繊細で儚くて、まるで自分ではないような貴方の寝顔。

「この人の瞳は何色なんだろうか」

メモ書きが消しゴムで消した後も貴方は分かるだろう。

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