第一ゲーム【プリンセス・ケーキ】
クラスポット王国チーム、 王子リチャード・クラスポット。
彼がこの【デス・ディメンション】に参加した理由は至極単純である。
まずマイク・グループが【デス・ディメンション】の参加者に求める条件として
重要なポジションに属している事が肝心である。
リチャードは王子なので条件を満たしている。
だからといって何故リチャードがこのデスゲームに参加したのか
理由は先も言ったが単純である。
婚約破棄である。
とある公爵令嬢を捨てて男爵令嬢ミカ・ヘンダーソンと結婚したいがために
王の意志を無視して婚約を破棄したのだ。
当然王は激怒、 結婚を認める代わりにこのゲームの参加を強要したのだった。
リチャードと彼の側近3人、 公爵令嬢の弟パリス・ヒット
騎士団長の息子バル・ガス、 宰相の息子キリ・バーミントン
そしてミカの計4人と合わせて5人チームで参加したのだった。
「結婚を認めさせる代わりに参加しましたが・・・
あの金塊を手に入れれば寧ろ政治的立場は寧ろ固まります
殿下、 何としてでも勝ちましょう」
「当たり前の事を言うなキリ、 絶対に勝つぞ」
「ええ・・・?」
ガラガラガラとアシスタント達がくじ箱を持って来た。
それぞれのチームに1つずつである。
「では皆さん、 最初のゲームを始まる前に参加する人を決めて貰います
箱から一人一本くじを引いて下さい!!」
理璃が宣言する。
「・・・・・」
リチャードはくじを引いた、 くじの先は真っ赤になっていた。
「こ、 これは私が行けと言うのか?」
「いえ、 全員引いて下さい」
キリもくじを引く、 くじの先は青になっていた。
次々と皆くじを引く、 パリスは緑、 バルは黒、 ミカは黄。
他のチームの面々もくじを引いて行く、 赤、 青、 緑、 黄、 黒の5色である。
「何のくじだ?」
「それでは皆さんくじを引き終わったのでこちらもくじを引きます」
理璃がそう言ってくじを引く。
「黄色です!! 次のゲームの参加プレイヤーは黄色のくじを引いた人!!」
「黄色・・・」
ばっ、 とリチャードが後ろを振り返るとミカがガクガク震えていた。
「お、 おい!!」
「わ、 私・・・」
「・・・・・」
バルがミカとくじを入れ替えようとするが
「がががががががががが!?」
アシスタントが放ったテーザー銃でびりびりと痺れる。
「おっと、 くじの引き換えは許可しません」
「バル!!」
「御安心下さい、 暫くしびれるだけです
ではくじを引いた方々は前に出て下さい」
黄色のくじを引いた面々がひな壇の前に出る。
ミカも震えながら前に出た。
「それでは残った4人の中からもう一人、 参加プレイヤーを決めて下さい
今度はくじでは無く立候補制となります」
「私が行く!!」
リチャードが前に出た。
「殿下!! 危険です!!」
「黙れ!! 未来の妃に命の危険が迫っているのに黙って見ていられるか!!」
「王子様・・・」
「ミカ、 必ず生きて帰るぞ!!」
「はい・・・」
ミカを抱きしめるリチャード。
「ふぃー、 中々良い画ですね
それでは皆様も決めて下さい」
次々と前に出る。
プレイヤーが全員揃うと理璃がハキハキと喋る。
「それではゲーム会場に移動します!! 皆様付いて来て下さい!!」
スタスタと歩き始める理璃について行く10人。
スタジオを出て向かった先はまた別のスタジオである。
しかし豪奢な作りになっており、 まるで宮殿の一室の様である。
そのスタジオの中央には大きな丸いテーブルと5つの席。
そしてその席の後ろにもう一つ椅子が置いてあった。
「それでは各チーム、 プレイヤーと姫に別れて下さい」
「姫? プレイヤー?」
「プレイヤーはこのゲームをプレイする人、 姫は実質的には関わらない人です」
「ならば私がプレイヤーとなろう!!」
リチャードが前に出た。
「王子様・・・」
「おぉ、 中々勇気がおありですねー」
他のチームも話し合いやジャンケンなどでプレイヤーが決まって行く。
「それではプレイヤーと姫が皆さん決まった様なので
プレイヤーと姫の紹介を始めます!!
クラスポット王国チームからはプレイヤーは何とクラスポットのリチャード王子自らが参戦!!
姫のミカとは恋人同士だとか!!
次に騎馬民族チームからはプレイヤーはハーン、 普段は草原で狩りを行う彼は
果たしてプレイヤーとしてやっていけるのか!! 次に姫はハーンの弟カーン!!
男なのに姫とはこれ如何に!!
そして優勝候補エルフチームからは前大会でも大活躍した
エルフ族の族長、 アンリがプレイヤーとして参戦!!
姫は今大会初出場のアンリさんの妹ミ―!!
そしてマーマンチームはプレイヤーはストラゲウ!! 果たして彼の実力が発揮出来るのか!!
姫はモサン!! ストラゲウとは長い付き合いだそうです!!
視聴者チームはプレイヤーは山田、 姫は佐藤です
それでは!! プレイヤーはテーブル席に!! 姫はプレイヤーの後ろの席に座って下さい!!」
プレイヤーがテーブル席に姫が後ろの席に座る。
「座り終えましたね!? それでは姫を吊り上げて下さい!!」
「何?」
姫が座った椅子からベルトが出て来て縛られる。
そして吊り上げられるのだった。
「ミカ!! これは一体どういう事だ!?」
「それでは最初のゲームに入ります
第一ゲームは【プリンセス・ケーキ】!!」
理璃がそう言うとアシスタントがケーキを持って来た。
ケーキは11等分になっている。
その11等分のケーキは種類も違っている。
フルーツケーキ、 チョコレートケーキ、 モンブラン等々。
ケーキの上にはそれぞれ数字の蝋燭が乗っている。
また砂糖菓子の御姫様も1つだけ乗っている。
「ルール説明を始めます!!
まず手番プレイヤーを決めます
その手番プレイヤーがケーキをカットします」
「すでに11等分になっているが・・・」
「その11等分のケーキを5つのグループに分けて下さい
その5つのグループのケーキを順番に取って行きます
取る順番は手番プレイヤーの左隣から左回りです
1人のプレイヤーが取れるのは1つのグループのケーキです
ケーキにはそれぞれ得点があります、 ケーキに刺さっている蝋燭の数字が得点です
このケーキで例えましょうか」
ケーキ
1:ガナッシュ 2点
2:モンブラン 1点
3:ショートケーキ 2点 御姫様
4:ガナッシュ 2点
5:モンブラン 1点
6:シフォンケーキ 1点
7:モンブラン 1点
8:ガナッシュ 1点
9:チーズケーキ 1点
10:チーズケーキ 1点
11:チョコレート 3点
「このケーキを5等分します」
1:ガナッシュ
2:モンブラン
3:ショートケーキ
4:ガナッシュ
5:モンブラン
6:シフォンケーキ
7:モンブラン
8:ガナッシュ
9:チーズケーキ
10:チーズケーキ
11:チョコレート
「おい、 これ不公平じゃないか? 3つだったりしてるぞ」
「公平である必要はありません」
1:ガナッシュ
2:モンブラン
3:ショートケーキ
4:ガナッシュ
5:モンブラン
6:シフォンケーキ
7:モンブラン
8:ガナッシュ
9:チーズケーキ
10:チーズケーキ
11:チョコレート
「こう分けても良い」
「こう分ける意味は有るのか?」
「えぇ、 戦略としてはアリです
次にこのケーキを1グループずつ受け取ります
クラスポット王国チームが分けたのならばその隣の騎馬民族チームから選択して取って行きます」
「取ったケーキが得点になるんだろ? だったら多いケーキを取った方が良いじゃないか」
「いや取っただけでは得点になりません、 取ったケーキを食べて貰います」
「食べるのか・・・」
思案するアンリ。
「取ったケーキは全員が取り終えてから食べるか食べないかの洗濯をして下さい
選択が終わった後は5分で食べて貰います
食べられなかった場合は得点になりません
食べると宣言して食べ切れなった場合は食べ切れなかった分のケーキの得点が引かれます
またケーキを吐いてしまった場合、 死んで貰います」
アシスタント達がナイフを持ってスタンバイしている。
「・・・なるほど、 大体は分かったがこの砂糖菓子の姫は何なんだ?」
「それがこの【プリンセス・ケーキ】の肝です
この砂糖菓子の姫は得点にはなりません、 但しゲーム終了時に
このお姫様を手元に持っていないチームの姫は地面に落とされます」
「・・・・・」
見上げるリチャード、 かなり高い位置だ、 落ちれば死ぬだろう。
「じゃ、 じゃあ姫って言うのは実質的な人質、 と言う事か?」
「そうなりますね」
「・・・・・」
汗がぶわっと噴き出るリチャード。
自分がプレイヤーになればミカが無事になると思っていたがそう甘くない様だ。
「ケーキは全部で5セット、 つまり11×5で55個用意してあります
5セットのケーキカット、 選択、 実食を済ませればゲーム終了
最終的な得点下位2名のプレイヤーはお亡くなりになります
つまりゲーム途中での嘔吐を除けば2人が最低犠牲になります
また下位2名になっても御姫様を手元に持っていれば姫はゲーム終了後に開放されます」
「・・・・・」
「最後に今回作られるケーキはマイク・グループ傘下製菓メーカー
マイク・スイーツによって作られます
今回のゲームの最優秀プレイヤーの名前をマイク・スイーツ店舗で言うと
100円引きクーポン券が貰えますので、 視聴者の皆様お見逃しなく!!
それでは【プリンセス・ケーキ】の始まりです!!」
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