夢のお話

空耳。

1日目・ゆり

いつも思う。これが夢で覚めたらあの地獄に戻るのかなって。

夜は今でも嫌い好きになれる気はしない。

自分に暗示をかけるようにそれを飲んで眠りにつく。

結局これも 気持ちの問題 なのだろうか。

あの人がよく言っていた。

朝は一番嫌いだ、全ての悪夢はここから始まる。

夢に戻るかのように。

体は重くて足は冷たくて、目眩がする。

カーテンを開ければそこには曇り空。

どうりで体の調子が悪いわけだ。

晴れが好きなわけではないが曇りは苦手だ。

お腹が空いたのでご飯を食べるとそこから過食が始まる。

一体いくら食べたのだろうか。

吐き気はするが結局吐けない。

私が女でなかったら体重を気にしなかったのか。

果たしてそれはわからない。

0.1 その僅かな重みでも私は憂鬱になる。

幻聴が始まる。

あの人の声。イヤホンをして塞ぎ込む。

幸いにも私には幻は見えない。

いつか見えるようになるのだろうか。

好きなことをしていると時間はすぐすぎる。

赤いそれは私を満たしてくれて不思議と痛みはない。

慣れ というものなのか。

体に傷をつけることに対して幸福を抱くようになったのはいつからだろう。

今はそんなことも考えなくなった。

最初は気づいて欲しかった。

今はもう自己満足。

一度気づかれたけれどそんなことはどうでもいい。

私のことを知っている人はどれぐらいいるのだろう。

あの人が思っている私と僕はきっと違うのだろう。

だから私を知っていても僕を知っている人はいないのかもしれない。

病名だとか性別だとかそんなことで左右されたくはないけれど、

私はそこに誇りを持つこともあるだろう。

僕は私で私は僕。

それは何にも変わることのない決まりだから。

ただ文字で表すだけきっと文字なんて君との間に必要ないのかもね。

 

名前はたくさんあったほうがいい

何にだってなれるから。

だけどありすぎると彼みたいに増えてしまうよ。

それはそれで楽しそうだね。

欲望はたくさんあったほうがいい。

毎日が少しだけ楽になるから。

君がいれば2倍だね。

自己暗示

いつか幻想から理想になってしまうかな。

そしたら笑い合おうね。

いつまでもまってる

ゆり。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る