大賢者の初期魔法遊記
日向 首席
第1話 果てしない物語の始まり
……この世界は、美しい。果てしなく続くこの空の下では、誰もが自由で、平等で……残酷だ。
「どーん!!」 「わっ!?」
「ぼーっとしてどうしたの?」
「う~ん……何か頭の中に変な感覚が……」
「気を付けて?傍からみたら完全に怪しい人だよ?」
「余計なお世話だし。てか今日はどうしたの?まあ、どうせまた変なゲーム見つけて来たんだろうけど。」
「へっへ~正解~!……って違うよ!これは本当にすごいの!」
この若干バカっぽい少女は紅葉空音。どこからか謎のゲームを見つけては、何故か私を無理やり誘って一緒にやろうとする迷惑な友人である。
「この若干アホっぽい少女は藍町琴葉。いっつもローテンションで、心優しい私がゲームに誘ってあげないと大抵ぼっちな悲しい友人である」
「誰に向かって言ってんの。しかも何さらっとめちゃめちゃ失礼なこと言ってんの」
「いやあ、何だか心外な紹介をされた気がするから、やり返してやったというわけよ」
「何言ってるか全然わかんないんだけど……で、今日はどんなゲーム持ってきたの?」
「よくぞ聞いてくれたよ! 実はこれ、プレイした人が続々と行方不明になるっていう、いわばいわく付きのゲームなのだ!」
「いや何てもん持ってきてんの。私ら行方不明になっちゃったらどうすんのよ」
「大丈夫大丈夫!別に国も規制してないし!」
「いやそこは規制しろよ国。明らかにやばいゲームじゃん」
「でも不思議なのがさ、ネットでも存在は知られてるんだけど、ストーリーとか登場人物とか、ゲームに関する情報はほとんどないんだよね」
「……そんなことってある?制作会社とかは?」
「わかんない!!」
よし帰ろう。
「待って待って!やろーよお!気になるじゃん!」
「ダメに決まってるでしょ!早く捨てて!てかどっから拾ってきたのよそんなやばいゲーム!!」
……私たちが腕を引っ張り合っていると、空音が持っていたゲームが突然光り出した。
「ねえ、ちょっとちょっと!そのゲーム、何か光ってるんだけど!」
「え……?わあああああ!!」
……そして、私たちは教室から姿を消した。
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