第二ラウンド VSアオバ

「トランプって面白いですね」


「そうね。久しぶりにやってみたくなって作ってみたけど、やっぱり楽しかったわ」


 みんなでトランプを囲ってワイワイと遊び、楽しんだ心美達。

 彼女達にも好評だったようで、心美も自分だけでなくみんなで楽しめたことを嬉しく思っている。


 だが、一つだけ物足りなく思っている事。

 それはバリエーション。

 トランプゲームは様々なルールのものがある。


 今回はユキやスカーでもできるようなルールのものを選んでやったが、本当は他にもやりたいものがあったのだ。


「アオバさえよければもう少しだけ遊ばないかしら? さっきとはまた違うルールでやりましょう」


「いいですよ! でも違うルールですか?」


「さっきまではあの子達に合わせて、カードを保持する必要がないルールのものをやっていたのよ。ルールによってはこんな風にカードを持ってプレイしなければいけないのよ」


 そう言って心美はトランプの束から数枚を抜き取り、手元で扇形を作って見せた。

 相手に見えないようにカードを持つ。

 その行為がユキには難しいと思ったが故のカードを持たないルールのゲームを行っていた。


 だが、アオバは手でカードを持つことができる。

 アオバとなら先程まではできなかったゲームができるようになるのだ。


「確かにユキちゃん達にそれは厳しいですね。ですが、ボクなら……ってことですか。それでそれでー、どんなゲームをするんですか?」


「そうね……ポーカーをやりましょう」


 心美はポーカーを選択し、ルールを簡単に説明していく。

 アオバは同じトランプで行うのに違うルールで遊べるということに興味を持ちながら心美の説明を聞いていた。


「なるほどー。手札のカードを捨てて、山札から同じ枚数引く。それで決められた役を揃えて、それが強かった方が勝ちということですね」


「そうです。やれそうですか?」


「いけそうです! とりあえずやってみましょう」


「分かりました。では、配りますね」


 心美はカードの束をシャッフルし、五枚ずつ配る。

 初期手札を確認して、どのようなカードの切り方をするかを考える。


「よし、いい感じの手札ですね。じゃあボクは一枚だけ交換するよ」


「へえ、一枚。かなり手札がいいのね」


 アオバの反応と取った手からアオバの初期手札が強いことを予想した心美は目を細める。

 もちろん心を読むことはしていないが、その反応で大凡の予想は着く。


 一方で心美の手札は全部バラバラ、ノーペアの状態。

 手札を切れるのは二回だけ。

 どのような手を取るか考えた末、手札を全てアオバに見せた。


「ダメね。私は全交換するわ」


「おお〜、大胆な一手ですね」


「どこを揃えにいけばいいか定まらない手札だったのよ。こうして全部替えれば……ふふ」


「その反応、怖いですが……ボクはもう一度一枚だけ交換」


「私はこのままでいいので、オープンしましょう」


 アオバは再び一枚交換、それに対して心美は交換無し。

 その状態で両者とも手札を公開する。


「むー、フルハウスを狙ってみましたがツーペア止まりでした。ですが悪くはないですよ……って」


「ふふ、私がフルハウスを頂きました。最初はアオバが有利だったようですが、最終的な役の強さは私の勝ちですね」


「負けた〜。ってことはあの全交換で揃ったってことですか? 運良すぎです! もう一回! もう一回やりましょ!」


「ええ、まだまだこれからよ」


 一度目は心美が豪運でフルハウスを作り上げ、勝利した。

 それが悔しかったアオバは再戦を望み、ポーカーというゲームに熱中して、何度も勝負を繰り返すのだった。




NGシーン


ババ抜き


アオバ「心を読まれた挙句千里眼でボクの手札も掌握されてました。ババがボクの手札に来た瞬間負け確定だったよ」

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