おかんという生き物
おかん
第1話
『おかん』と呼ばれる生き物になって16年ほど経っただろうか。そろそろ就活だなーと、なんとなく今後の人生をゴールから眺めてみる、そんなある冬の話。
12月になると部屋中にお菓子のポチ袋がぶら下がる。袋には日にちが書いてあって、その日のお菓子がもらえるシステムだ。我が家ではクリスマスまでのアドベントカレンダーではなく、目覚まし時計の代わりに設置してある。朝早く起きてきた子から取っていくのだ。3人の子どもがもみくちゃになって取り合っていたのはもう何年前のことだろうか?
駄菓子を買いに行き、袋詰めし、クリスマス用のモールにつけていく。
『あーあかん、膝が痛い』
昔は夜中までかかって飾り付けをし、起きてきた子どもたちをびっくりさせたのに、もう無理が効かなくなってきたようだ。
そんなこんなで飾り付けも終わり、翌朝ニヤニヤしながら子どもらを起こしたが全然起きないのだ。『なんでや?全然目覚ましになってへんやん!』そう、もう10年以上やってるので駄菓子では効果が出なくなっているのだ。虚しく時が過ぎ、クリスマスまであと15日ほどになったある日『ん?駄菓子で喜ばへんねやったら、お金入れらたええんちゃう?』こういう考えが湧いてくるのは私が大阪人だからだろうか?ニヤリと笑い、どうやって仕掛けるかを考える。同じ金額を入れるのでは面白くないので、それぞれ金額をバラバラにする。100円、500円、1000円を駄菓子と一緒に入れておく。一度お金が出てきたら次回いつお金が出るかわからないので毎朝飛び起きてくるはずである。
はっはっは、私がそんなことを考えてるとは思いもしないだろう!子どもたちよ、明日の朝をお楽しみに♪クリスマスまで早起きをするがいい!こたつに入りながら子どもたちを眺め、明日に想いを馳せる、そんな師走である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます