#09 大戦果
「それに、私達は今回。後方支援だけだし」
「は、はぁ・・・」
「ボスに言おうかなぁ?呆れた返事で帰らされました――って」
リーガルは思った。
「そんな理不尽、通るのか⁉」
「まぁ、ボスは有言実行主義だから。理不尽じゃなくて、無慈悲だよー」
エルネアがリーガルの心を見透かしたように、半分呆れてすねていた。
警察隊全員が苦笑いのまま、屋根から交易街区や学院寮区を監視していると女学院生1人を取り囲む男性冒険者数名を発見した。
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「なぁ、お嬢さん。俺達とキモチイイ事、しないか?」
「結構です!」
「そう言わずにさぁ~、な?」
「しつこいですよ、それにここは学院寮区です。部外者の立ち入りは――ムグッ‼」
女学院生の背後から口と両腕を羽交い絞めにして、馬乗りになった男性1人が「五月蠅いンだよ!ガキがぁ‼雌犬は雌犬らしく、喘いでいろ‼」と言いながら興奮した下半身をズボン越しに顔に擦り付けていた。
その時、リーガルがM16を持ちながら屋根から地面に静かに着地して3発の通常弾を男性の1人の両腕に命中させた。
「――グワァアァ!痛ってぇぇぇぇ‼‼」
M16は20発の5・56×45ミリNATO弾を使用する点射専用の
女学院生の上から退けて地面をのたうち回っていると、それに気が付いた他の男性冒険者達が「どうした⁉――最悪だ」と振り返り屋根や道路を塞いで銃口を向けている
「自警団もとい
「――チッ、やられるかぁ‼」
男性冒険者1人が自身に身体強化魔法をかけて、突貫してきたがひっそりと気配を殺して待機していたエルネアが指揮をする狙撃分隊がM14による複数のヘッドショットでオーバーキルした。
『即死させた、検挙せよ』
「――やる気がないなら、武器を捨てろ」
リーガルまで5メートル地点で息絶えた突貫男を見た他の冒険者は、恐怖で剣や弓を地面に投げ捨てて両腕を空に上げた。
「ひ、ヒィィ‼」
「・・・よろしい、検挙!」
死亡者1名と
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後日、事情聴取をして彼らの正体が衛兵上がりの冒険者だという事が分かったので学院での取り調べではなく、衛兵に引き渡して任せる事にした。
3日後、フィリスは学院長に呼び出されて「フィリス・ディラスリナ君、あなた宛てに国王アレストリア陛下から直々に感謝を述べたいらしいわよ?謁見日は1カ月後だけど、どうする?」と告げられた。
国王陛下に謁見かぁ・・・、馬車よりも早い物が必要だな。
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