第三章 ダンジョン調査依頼と新たな仲間

三十八、一週間後

 アリスとのデートから一週間程が過ぎた。昨日、鍛冶屋の親方から剣を二本にアリス用の短剣と杖を受け取った。その際に、サービスとかで、古龍の素材から作った装備をタダで貰った。俺はお金を払うと言ったんだが、親方が「これはわしからの気持ちだ! 受け取っておきな」と、親方から言われたら断ることが出来ない。


 親方に作ってもらった武器の出来は最高。俺の鑑定の魔眼で見てみる。


 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 古龍の剣 Sランク


 スキル:吸収 熟練度1


 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


すると、Sランクと表示されている。武器のランクとしては最高ランクで俺自身初めて見る。それに武器にスキルまで付いている次第。吸収――このスキルは相手の体力、魔力を奪うと言う物である。ただ、直接攻撃をしないと意味がないもののようだ。


 アリスの短剣にも同じスキルが付いている。ただ、杖に方は少し違っている。ランクは剣と同じSランクだが、付いているスキルが吸収でなく魔力強化で、魔法の威力を上げると言う物。アリス自身も同じスキルを持っているので効果としては上乗せされる形になる様である。


 それに装備にもスキルが付いている。物理耐性と魔法耐性、それに状態異常耐性と熟練度は低い物のかなり優秀なスキルだ。そしかも、状態異常耐性は毒耐性などの上位スキルで、熟練度マックスにしないと得られない物であるためにかなり助かる。装備のスキルを過信しすぎるのは良くないが、もしもの時にはかなり役に立つ。


 だが何故装備にスキルが付いているのと親方に効いたが、よく分からないとのこと。考えられることがあるとすれば、Sランクモンスターである古龍の素材を使っている事、それに合わせて親方の持つ鍛冶師スキルがかなり高いと言う二点が合わさり今回のような結果を生み出したんだと思っている。


 装備に関しては全身黒色で少し派手な所もある。だが、機能性などを考えると、古龍装備をパーティーの正式装備にして問題ないだろうと、アリスと相談して決めた。


 そして今日がその初陣とな日である。一週間前、アリスと話していたダンジョン調査依頼。モンスターの大群の進軍でいけなくなってしまっていたがやっと武器も出来、装備も整ったため今日行くことになったのだ。


 そんな朝、


「アリス朝だぞ!」


 少し早く目を覚ました俺がまだ寝ているアリスを起こす。普段は俺の方がアリスに起こされるのだが今日は、久々に早く目が覚めたため、いつもと立場が逆転している。


「もう、朝ですか?」


「そうだよ。アリスが楽しみにしていたダンジョン調査依頼に行く日だよ」


「そ、そうでした! マイルさん、お早ようございます」


「おはようアリス。冒険者装備に着替えて冒険者ギルドへ行くぞ!」


「分かりました」


 俺達は昨日親方受け取った装備に着替えて、準備完了。宿で朝食を食べて冒険者ギルドへと向かう。その道中俺は最後の確認とアリスのステータスを見る。


 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 アリス=マーベリック 13歳 エルフ族 LV102


 スキル:火魔法 熟練度6 土魔法 熟練度3 風魔法 熟練度8 水魔法 熟練度8 

     回復魔法 熟練度5 トラップ魔法 熟練度3 光属性魔法 熟練度2 

     麻痺耐性 熟練度4 睡眠耐性 熟練度3 毒耐性 熟練度2 熱耐性 熟練度2

     短剣術 熟練度5 弓術 熟練度3

     魔力隠蔽 熟練度2 気配隠蔽 熟練度2

     魔力強化 熟練度6 身体強化 熟練度8 魔力操作 熟練度7 武器強化 熟練度3

     物理耐性 熟練度6 魔法耐性 熟練度6 縮地 熟練度4 見切り 熟練度3 

     長寿


 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 一週間、俺がまともに戦闘に参加出来ず、アリスメインで戦闘を行っていたこともありスキルの熟練度が伸びている。それに、モンスターの大群討伐戦のおかげと、ケイル達との戦闘でもかなり経験値を稼ぐことが出来た。レベルもかなり高い。俺が想像していたよりもかなり早い。まあ、イレギュラーなこともあったため仕方がない。


 それに俺のステータスも、


 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 マイル=マイヤー 15歳 人族 LV170


 スキル:火魔法 熟練度7 風魔法 熟練度5 水魔法 熟練度5 土魔法 熟練度5 

     回復魔法 熟練度3 トラップ魔法 熟練度3 光属性魔法 熟練度2

     剣術 熟練度10(MAX) 弓術 熟練度5 短剣術 熟練度4 刀術 熟練度1 

     魔力隠蔽 熟練度2 気配隠蔽 熟練度2 影縫い 熟練度2

     身体強化 熟練度9 魔力操作 熟練度8 武器強化 熟練度8                   属性付与エンチャント 熟練度8 

     物理耐性 熟練度4 魔法耐性 熟練度4 毒耐性 熟練度2 熱耐性 熟練度2

     麻痺耐性 熟練度3 睡眠耐性 熟練度3 

     自動回復 熟練度5 偽装 熟練度6 消費魔力軽減 熟練度9 武器破壊 熟練度2

     威圧 熟練度3 縮地 熟練度6 見切り 熟練度1 照準 熟練度2 飛翔 熟練度9

     長寿 成長加速 無詠唱 異空間倉庫 限界突破


 右目:鑑定の魔眼 左目:低下の魔眼


 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 新たなスキルを手に入れたわけではないが、古龍戦とケイルとの戦いがありレベルがかなり上がった。それに剣術のスキルが熟練度マックスまで上がりカンスト状態になっている。ただ、この一週間は殆ど行っているいないため目立った成長はない。


 改めて自分達のスキルを確認すると、正直この町でやれることがなくなったなと少し感じる。これから俺達が向かうダンジョンなら余裕で突破できるだろう。だから俺は、この依頼が終わった後、アリスと今後について話そうと思うのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る