追放サイド4

 ルドラがタイガーウルフを倒した後、


「お前ら本当にAランクの冒険者なのか!」


 こいつは一体何を言い出すんだ


「正直初めてお前達を見たときなんだか変だと思っていたんだ」


「何のことだ! 俺達が変? 意味の分からんことを言うな!」


「はぁ~、意味が分からんか、俺は今までに様々な冒険者を見てきた。それこそAランクの者やSランクの冒険者とかな、その全員が独特のオーラを持っている強者達だったよ。だが、お前達からそう言うオーラを感じなかった。だが、そう言う奴もいるのかと思っていたがそうじゃなかったようだ」


「オーラだぁ! そんなもんあるわけないだろう。それに俺達は今までにタイガーウルフなんて目じゃないようなモンスターも数多く倒してきたんだ!」


 そうだ、俺達は数多くのモンスターを倒してきた。Aランクのモンスターだった数多く。その功績が認められてAランクにそしてもうすぐSランクになるんだ。なのに、どうしてこうも失敗が続く。あいつを追い出したか日から変になったんだ。あの疫病神がパーティーを離れても俺達に迷惑を掛けてるんのか。


「そうかい。だが今のお前達が本当にそうだったのか怪しいところだがな。たかがタイガーウルフごときに勝てないなんてありえないぞ。レベル三十のモンスターに勝てないなんてな」


「ウソでしょ!」


「ありえない」


 キリエに俺もタイガーウルフのレベルを聞いて驚いていた。


「こんなの冒険者なら常識中の常識だぞ! まさかお前らそんなことも知らなかったのか!」


「……」


 何も言えない。確かに知らなかった。それに、


「俺達よりもレベルが高いなんて」


「おいおい冗談だろう? まさかお前らレベル三十以下だって言うのか!」


「そうだよ」


「ありえないだろう。それでどうやってAランクに上がって来たって言うんだよ。俺が知っている

Aランクの奴らは少なくともレベル五十以上はある奴らばっかだったぜ!」


 何も言えない。


「正直少し疑っていたんだ。冒険者になってたった三年でAランク冒険者になった天才冒険者パーティーがいる。しかも一回も依頼に失敗したことがないとな。そんな冒険者いるはずがないとな」


「確かに一回も失敗したことがないぜ。俺達三人は優秀だからな」


「だが結果はこれだ。Bランクであるタイガーウルフすらも倒せない。そんなAランクがいるはずがない」


「うう!!」


「確かこのパーティーには元々他に仲間が一人いたんじゃなかったか?」


「確かにいたよ。スキルを持たない出来損ないがな」


「だが、そいつが全ての準備をしていた」


「必要もないのにな」


「必要ない、か、お前らは今日の失敗から何も学ばないんだな」


「何も学ぶことなんてなかっただろう。今日は偶然タイガーウルフが普通よりも強かっただけだ! それだけだ。運が悪かっただけ。そうじゃなければ余裕で勝てたはずだからな」


 そうさ、俺達は勝てたはずだ。俺の力を持ってすれば負けるはずがない。


「そうか、分かった。この依頼が終わった俺はこのパーティーを抜けさせてもらう。こんなバカなパーティーにいたら命がいくらあっても足りないからな」


「そうかよ。分かったぜ」


 俺達はタイガーウルフから証拠部位を剥ぎ取り、町へと戻るのであった。

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