英雄転生 神様に最後の英雄に選ばれた僕は最終兵器『主人公』になってました。
@ASSARIASAKI
第1話 転生先、英雄
「どうも。申し遅れました。私、神様です。」
丁寧な対応は大変ありがたいが、目の前にいる女の子は僕の周りの人間をすでに皆殺しにしている。
場所は学校。みんなでお昼ご飯を食べているといきなりこいつは現れた。
そしていきなり周りが死に始めた。
切れる潰れるねじれる泡を吹く破裂する絞められる
死ぬ
ワンピースも肌も目の色もすべて白だったが、今の女の子は返り血で真っ赤である。
「転生の神様です。」
「いや聞いてないですけど。」
けらけらと笑う自称神。
そしていきなり真顔になって、
「転生してもらえますか。」
と言った。
「転生して英雄になってもらえますか。」
現れただけで圧倒的な理不尽。噓ではないのだろう。
「…なんで僕なんですか。」
「あなたには、英雄になる資格があります。」
それは、『英雄』を受け入れたことです。
「受け入れた?」
「ええ。あなたの身体は『英雄』を…それも最後の英雄、『主人公』を受け入れたのです。」
だから、死人を見ても何も思わない。『主人公』があなたの精神を守っている。
「ここにいた皆さんに、『英雄』としての素質を入れました。…そして、あなたが残った。」
「適応できていなかったら…」
「死んでいましたね。」
あくまでニコニコと話す。
「しかし、あなたはそれすらも受け入れている。…そうでしょう?」
何も思わない。
受け入れているのか。
「あなたは、異世界を救うしかない。」
「…強制ですよね。」
「まあそうですね。でも報酬はつけますよ。」
「例えば何ですか。」
「なんでもです。」
なんでも。…なんでもか。
うん。悩むまでもなかった。
「じゃあ、異世界を救ったら元の世界に帰してください。」
「え?そんなのでいいんですか?」
首を縦に振る。
「わかりました。わかりましたわかりましたわかりました。では、行ってもらいましょう。最後の英雄。神が選んだ英雄。『主人公』のカイリさん。」
異世界を頼みましたよ。
これが転生の神から聞いた、最後の言葉だった。
そして、僕も死んだ。
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