第6話 貯えなくても家は建つ?

 住宅ローンって35年まで組めるのね。

 そこから?とお思いかもしれませんが、何せ家を建てるなんて、これっぽっちも考えたことがなかったので… 不勉強極まりないのです。


 遅めに出産して子育てして、旦那の怪我からの難病、ワタワタしているうちに、わたしはもうすぐ45歳。

 ん?45歳の35年後って?

 80歳!

 縁側でお茶でも飲んでたい…

 返せないよ…

っていうか銀行も貸さないよね!と気づく。

 

 調べてみると払い終わり80歳までいいんだって!ほんと?

 お金を借りるとかローンとか、クレジットカードすら好まない現金主義の両親のもと育ったナマケモノ。ローンに関して、知識はゼロ、抵抗感100。

 でも考える。将来ある子ども1人、将来あると願いたい夫1人を抱えて、仕事して、家賃を一生払って、と思ったら、ちょっと収入アップし、ローン支払いを今の家賃以下に抑えたら、土地購入プラス新築も別に無理なくいけるんじゃ?

 そこで、現実的に家を建てることを考え始めたのです。

 ナマケモノの生息可能環境を満たし(新築がいいな)、今の家賃以下の支払いにするには、土地代を安く抑えたい。今の住まいの近所は土地が高い。少し郊外で、夫のカフェを考えるとちょっと雰囲気のある良い場所はないかな、などと考えてみる。

 さらに、月々の支払いをできるだけ少なくするために返済期間35年をフルに使うには、45歳がリミットじゃないの!急がなきゃ。

 こうして、バタバタと「家を建てる」に向かって走り出したのです。

 家を建てるなんて絶対無理と思っていたけど、色々知っていくうちに絶対無理じゃないかも?もっと若いうちから考えておけばよかったなと思った。

 持家取得を促進するための国の施策も色々あって、住宅ローン減税とかすまいの給付金とか固定資産税の減免とか、その時々で、期限があったり制度が変わったりはするものの、何かしらの優遇措置があるようです。

 そんなことも少しずつ知っていきながら、ハウスメーカーなどに相談にいくと、手持ちの資金がどれぐらい、収入がどれぐらい、と同じ並びで、親の援助はどれくらいかと聞かれるのです。

 しかし、旦那の親は遠くにおり、今まで数えるほどしか会えていないし、わたしの親は、この状況で家を建てようなんて考えられないと大反対。ということで、親の援助は望めません。

 我が家は、この時点では、資金はごく僅か、収入はぼちぼち、親の援助はゼロとの条件で、家を建てる算段を始めることとなる。

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