日本横断妖怪退治二人と一台とキャンピングカーでお送りするドタバタ旅行記!ドンドンパフパフ

メヂカラ

プロローグ 回想の首

 くらい、暗いトンネル。

 男は左腕を馬の頭に変えたかと思うと、その馬の口から長い舌を出し、その舌は目にも止まらないスピードで姿形を変えると、青銅で作られているかの様な、一本の剣へと馬の舌を変化させる。

それに僕は怪我からの痛みからなのか弱った声で、


「助けてくれるのか、、、、、?」


と口に漏らす。その声を聞いた目の前で剣城をかざしている男はニヒッと笑うとこちらに振り向かずに左腕についた剣を今にも落ちてきそうくらいの距離にある天へと掲げ、意気揚々とこちらに声をかける。


「よく見とけ坊主、これが化け物流の戦い方よぉ!」


 その瞬間、左腕の剣は先から三角形状に割れ、それを向こうからくる、横に並列して走ってくる、イタチの化け物の三匹の真ん中へ奴へと剣先を向けてこう叫ぶ、、

「獄卒奪取術!、爆狐!バッコ!


その瞬間火炎を纏った美しい尾を持つ幻獣の様なものが剣先から放たれ、猟犬の様に野生的かつ生物の狩への探究心が作り出した元素記号化の様な美しさくも恐ろしい一撃がイタチに襲いかかった。






 時は、二千十三年、魔術師がショーを始め、電池が荒れ始めた頃の話である。


 夏の暑さも消え、冬の寒さが少しずつ近づいてきた頃だろうか、

 深夜二時、誰もいないはずの高速道路を我先にとスピードを上げて走る一台のバイクが有った。


 その一台のバイクに乗っている少年の名は再会の再に城壁の城に、最後に巴紋の巴で再城巴サイジョウトモエ両親がどうしてこんな女っぽい名前をつけたかわ知らんが、まぁ事実無言の僕の名前である。


 やはり、こうやってバイクで風邪を切ってゆく感じは心地よい。この風が、俺の悩みを吹き飛ばしてくれる。

 そんな、自分には絶対に似合わ無い痛いセリフを独り言として、ただ独り言としては大きく言っていると、なんだか昔の話をしたくなってくる。

 今から思えば僕は弱い二十と3ヶ月にしては、中々に濃い人生を歩んでいるのだ


 幼い頃から不思議と俺の周りには血の繋がりのある家族や親族が少なかったように感じる。


 五つの頃に父と母を交通事故で亡くした

 僕はそん時の事はあんまり覚えていないが、何となく僕の事を両親が死んでから引き取ってくれた、母方のじーちゃんからの話を聞くと、どうやら俺の母は当時妊娠をしていたらしく、その日の深夜に予定よりも数ヶ月早くに突然と母の腹から突然と陣痛が来て、急ぎ病院に向かおうと父親は息子の僕をお隣さんに預けて、母をマイカーに乗せて、額に焦りの汗を流しながらも、病院へと急いで道路を走っていると、海岸沿いの道で対向車線から来た居眠り運転のトラックに行き良いよくぶつかり、そのまま腹ん中の赤ん坊、父母共々ぽっくりと俺と言う、たった生まれて五つしか行って無い子を一人残して逝ってしまった。


 そしてこれがまた運の悪いことに、両親はどちらも一人っ子だったらしく兄弟は居無いし、オマケに他の親族や親戚なんかもこれっぽっちもいなかったもんだから、俺の親族に当たる人を血が薄かろうと離れて居ようと、片っ端から集めて、十人ほど集まってから僕を誰が面倒見るかの話し合いが始まった。

 親族たちの殆どは爺さん婆さんであり、葬儀市場の中で誰がこの子を引き取るのかをあーだーこーだ言っていると、突然と母方のじーちゃんが声を上げて

「よし!わしがこいつを引き取る!」と親戚の前で声高らかに威勢良く言い放つも、勿論の事親族たちは、猛反対!。

 親戚一同この90過ぎてもなかなかボケ無いのは良いが、酒、タバコ、ギャンブルのダメ人間の条件が見事に決まってしまって居るような、こんなアンポンタンじーさんに最初は反対こそしたが、最後まで自分の意見を一切意見を曲げないじーさんに対して、親戚一同が折れることにより、正式に俺の事をこのじーさんが育てることとなった。


 しかし、またこの爺さん、前述の通りかなりのダメ人間であるが、中々に根性が良く、このじーさんが今の俺と同じくらいの歳の頃、戦時中に崩壊しかかっていた東京土地の権利書なんかを何処からともなくかき集めて、自分の土地だと色々な人たちに訴えて、何とか東京中の土地をバラバラに手に入れ、その土地を管理しながら、特に働く事なく今の今まで暮らしてきたのである。

しかし、子育てに関しては点で素人となもんだから、俺も爺さんも二人して苦労したもんだ、小学生の頃なんかは勉強で分からん所を聞いても

 とまぁ、何やかんや良い思い出も多く、面白いじーさんだったけど、俺が高三に上がろうと言う時に、突然とぽっくりと逝っちまった。

 死因は喉詰まりと言う中々にアホらしくも、あの人らしい死に方であった。

 そんな105もいった長生きボケ無しじーさんが残したものと言えば、多額の金と土地だけで有った。


 しかも、じーさんの奴、一切の遺言書も残さなかった物だからこんな時ドラマや映画ならば、大抵の場合は親戚同士での醜い金への争いが起きそうなものだが、そもそも親戚一同が俺含め七人しかおらず(しかもほとんど僕の今での人生を5周くらいしたレベルの人ばっか)。

 じーさんの残した金と残った土地は争いが起きぬように売っ払っい、残りの金を仲良く七人で分けて行くと、結局のところ、一人に付きジョーダン抜きで大体3億近くもの金が配られてしまう事態へとなってしまい、齢18歳の俺の手元には役3億もの手に余すぎる程の莫大な金が手に入ってしまった。


 あぁ、じーさんの大事な言葉を早速無視しながら、よく考えずに受け取っちまった。じーさんごめん。でもなぁ、三億なんてもらう以外の選択肢があるかよ、ギャルゲーで言ったらヨォ、

 選択肢が四つ在ったとして、

[YES!、はい!、勿論!、是非とも受け取らせていただきます!]

 の四つしか無いよ、、、、


 こうした、完璧とも取れるこの生活はやはり退屈に感じてしまう。

 本来ならば、バイトでもしていれば良いのやもしれぬが、対して働きたくも無い。


 そんなこんなでこの生活から脱却するために俺が悩みに悩んで1ヶ月悩んだ末に俺が出した答えは、「そうだ!、旅をしよう。」だった。

 そうと決めたら迷いはなし!元々、某マスクをつけたバイク乗りに古くから憧れていた俺はバイクの免許は持っていた為、さっさとバイクを一括で買い、納車したその日に軽く運転の練習をしたら、用意していた財布や着替えなどを詰め込んだバックとその他をバイクのサイドに入れて、風の如く東京からの明日への道も確かめずに走り去ってゆくのだった。


 で、今に至るわけだ。

 そんな事を考えていると、いつの間にか腹が減ってきた。そう言えば昼からは何も食ってはい無い。

 と、ちょうど良いタイミングでパーキングエリアが見えてきた。俺は腹の虫を抑えるためにもその比較的小さいパーキングエリアの駐車場へと足を運ぶ。



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