彼女はなぜ…

イチゴ

第1話

月曜日、休み明けに学校に着くと後ろの席の女子がいなくなっていた。その子の席はもうない。何があったのだろうか…


僕は友達のいない平凡な高校生。後ろの席の女子も友達はいなかったように思える。友達でもない人の事をこんなにも気にするなんてふつうは無い事なのかもしれない。僕もそこまでは気にならない。しかし暇だ。圧倒的に暇だ。常軌を逸した暇さだ。友達もいない、スマホゲーをしようにも電池がない、勉強も好きじゃない。仕方がないから全力でいない理由を考えてみた。

まず考えられるのは、私が彼女が最初からいない世界…つまり、パラレルワールドに来たという可能性である。しかし、同じ世界かどうかは友達がいないので誰かと話して違いを見つけるなどの確認の仕方ができず、他の確認する方法も思い付かなかった。どうしようもないのでこの線はないものとする。

次に考えられるのは自殺だ。実はこれが本命の説であったりする。彼女も友達がいなかったのでこの線は濃厚だ。しかし、周りがざわついていない。自殺なんてしていたらさすがに誰か知っていたり噂になったりするだろう。それにテレビやネットでもそんなニュースは見ていない。学生の自殺なんておそらく取り上げられるだろう。

次に彼女が親に暴力を奮われた可能性だ。それで学校をやめて、どこかに隠れているのかもしれない。母親が連絡してきたということは暴力を奮ったのは父親か…。いやそれより、それこそ警察沙汰だ。誰が殴ろうがニュースになるだろう。そんなニュース見ていない。

次に考えられるのは事件に巻き込まれた可能性だ。彼女は誰かに恨まれることすらないと思うので考えられるのは通り魔である。しかし、そんなことはありえるのか…いや、というよりもそんな確率に当たるものなのか…。それにそんなニュース見ていない。

最後に彼女自身が何かを盗んだり、人をころしたりして捕まった可能性だ。しかし、クラスでも静かでおとなしい彼女がそんなことをするであろうか…。いや、おそらくそれはない。それは確実にない。ないと信じたいものだ。

僕に思い付くのはこれぐらいだった。僕は想像力が乏しい。引っ越しとか病気とか色々考えたけどつまんないから考えないことにした。


結果、正解はわからなかった。

それにしてもクラスメイトがいなくなっているのに話題にすらならいとは悲しい話だ。


放課後、「人が怖くなり学校に行きたくない。学校をやめたい。」と言っていて部屋からも出てこないと彼女のお母さんから連絡が来たと先生が言っていた。


その日の学校の帰り道、僕はずっと考えていた。どんな怖い目にあったのか…私は考えた。


人が怖いのならば少なくとも盗んだり、殺したりはしていない。最悪の結果を逃れてとりあえず安心した。

また、部屋から出てこないということは親に暴力を奮われているわけでもないだろう。きっと家以外の場所に保護されているだろうし…親がもう捕まっているのかもしれないが…。報道は今のところない。

部屋にいるということは生きている。しかも刺されて病院でもない。ということは通り魔でもない。

人が怖いのならば病気でも引っ越しでもない。

そうなるとパラレルワールドしかないが…。

そんなことあるか?


結局、こんなところで考えていても真実はわからない。

とりあえず早く帰ろう。考えたって仕方がない。


家の前にパトカーが止まっている。親が警察と話している。

よくわからないが近付いてみると親が走ってきた。「なんてことしたんだ!」と言われ、僕は殴られた。

訳がわからない。

その後警察に署まで来て欲しいと言われ、警察署の取調室で質問をされた。

取調で刑事の話を聞いたとき私は驚き、混乱した。なにを言ってるかわからなかった。

彼女は私に襲われたと言っているそうだ。


それの何が悪い?

なんか色々言ってくるけど何が悪いか全くわからん。

女性の権利とか尊厳とか言ってる。女性も権利も尊厳も意味は知っている。けど、女性って言葉と権利や尊厳っていう言葉が全く繋がらない。2つの話を同時にしてる。

よくわかんねぇな。なんかもう聞きたくねぇ。

ごうか…んざい?きょう…せいせいこう?とかなんか知らないことをペラペラと…。

俺を言いくるめようと警察がしているに違いない。女の人は大体子どもが好きだと思ってた。なんかそんなイメージがあった。

手助けしたのになんかキレられている。不服だがそれが法律ならば仕方がない。


次回 ドキドキ男だらけの刑務所編

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彼女はなぜ… イチゴ @machabanana

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