第2話:女勇者


 「なんと、あなたは勇者です!」


 「はいっ?」



 神殿に呪われて脱げなくなった男物の下着パンツをどうにかしてもらおうと鑑定したらこの司祭、ボケが始まっていたようだ。


 どうもいけな。

 平和が長続きするとこう言ったボケ老人が増える。



 「とりあえず、この呪いを解いて下さい」


 「いや、これは凄いぞ! 歴代の勇者の中でもかなりの力が有るぞ!!」



 あたしを鑑定していた別の神官までボケたか?

 全く何を言っているのやら……


 

 ばんっ!



 「た、大変だぁ! 魔王が復活したぞ!!」



 いきなり入ってきた神官がそう言う。

 思わず驚くあたし。



 「はいぃぃぃぃっ!?」



 「なら大丈夫だ、今ここにも勇者が現れた!」


 「良し、早速お城に報告だ!!」



 言いながらあたしは神官たちにかつがれてお城に運ばれる。



 「ちょっ、なっ! 変な所触んなっ! じゃなくて、なんであたしが勇者なのよッ!! こ、こらぁっ!!!!」





 あたしの叫びは完全に無視されて神官に神輿みこしの如くかつがれお城に連れ去られるあたしだった。


 

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