まさかまさか、ここにきてまた恋ができるなんて思わなかった

二次元世界が大好き

第1話 はじまり

大学を卒業してUターン就職した私。地元の銀行で働いている。もっぱらの楽しみといえば、ウインドウショッピングと音楽鑑賞。たまに、友人とランチに出かけたり、仕事終りに飲みに行ったり。毎日、同じような変わり映えしない日々。25歳になった今もこんな調子だから恋愛なんて縁のない生活だ。ちょっと良いな、なんて思う先輩がいたり、同期がいたりはしてきたけれど、もうすでに彼女がいたり忘れられない元彼女がいたりで上手くいったためしがない。


私は昔から片想いが多くて、本気で好きになって思い切って告白しても、避けられたり居留守を使われたり。結局、ひとり傷ついたまま終わってしまった。だから今は、想っているだけで充分だしそれ以上は、憧れはするものの期待はしないようにしているのだ。

そんなふうだから、恋愛なんて無縁。たまに告白されたりはあったけれど恋愛対象ではなかった。


そんなある日。母親から、『これ、どう?』と勧められた結婚相談所。はぁ、なるほど。そういう手もあったか。結婚の条件を事前確認し、後は顔が許容範囲であれば相談所にセッティングを依頼。相手が希望すれば晴れてお見合いが出来るのだ。様々なイベントがあり、もちろんお見合いパーティーなどといったものもあり参加は自由。と、まぁ、婚活にはもってこいである。特に決まった相手がいるわけでもなかったわたしは母親に勧められるまま入会したのである。


入会してしばらくたった頃、東京の青山にてお見合いパーティーが開かれることになった。

なんとなく乗り気ではなかったのだが出席することにした。母親からの半端ない圧力に負けたからでもあるのだが、年頃の娘の将来を心配する親心を裏切るわけにもいかなかった。


と言うわけで、めいっぱいのお洒落を決めこんでお見合いパーティーにのぞんだのである。

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