もしもあの時【エピローグ】

 女々しいだとか、未練がましいだとか、そう言われてしまえば――そうなんだよ。


 僕は人生を、過去を振り返り『もしも』という幻想を抱くことで、自分の気を紛らわしてきた。

 ――自己欺瞞だ。


 自分が取らなかった選択肢を悔いては失望落胆する。

 ――惨めな奴だ。


 どれもわかっている。

 だから、だから――


 ――いつかはこの思いも、未練も、そしても捨てないといけないんだ。



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