第26話 生命の感覚

君がその手に命を抱いたと知ったとき

心底嬉しくてたまらなくなったんだよ


血の温もりを信じなかった 君だからこそ

新しい温もりをどう感じたのか知りたくて

それをどのくらい重く感じるか知りたくて


指の腹から伝わる不安定な血の巡り

理不尽な鳴き声 理不尽な笑い声

理不尽な怒りと 理不尽な肉体と


すべての強欲を身体で精一杯表した命の形を

その手に抱いてどんな気持ちでいるんだろう

願わくば少しでも幸せであってほしいと願う

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