第23話 光熱に灼かれる
なあ、あんたの心はどこにあるんだ
あんたの眼は何を観てるんだ
俺があんたに心奪われているその間
あんたはこの暗闇のどこをみているんだ
教えてくれよ 誤魔化すみたいに笑うな
俺はあんたを彩れる 光をあてられる
でも俺は自分で光ることができないから
あんたが太陽だとしたら俺は月だ
影ばかりの俺に光をあたえてくれる
なあ どうしてそんなに燃えてるんだ
そんなに苦しんでまで 続ける必要が
どこにあるんだ なあ、答えろよ
いつの頃からか、この暗い箱の中で生きる様が眩しくてたまらなくなったっけ。海に揺蕩う海月みたいに自由自在に舞い踊り、音に流れていく長い手足と、少し骨張って優しい掌を持つあんたが、ただ憎くて。俺のところにいつだってその心が帰ってきてくれると確信できたなら、俺はもっと安心して生きていられただろうに。
その日の照明はとても青かった。深い海のような紺色と、青色が混ざりあったような深い色だった。あんたがどれだけこの光から逃れようとしても、この板に上にいる限り。僕はあんたを照らし続けることしかできないから許してほしい。このまま、強い光で、ふたりとも焼き焦がして板の上に残る墨になれたらよかった。
(テーマは同じまま、まったく別設定で生まれ変わったので、ボツ案になった初期段階の文章)
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