(二)-16

 恵美里は姿を隠そうと思ったが、広い本堂の真ん中から外を眺めていたこともあり、すぐに見つかってしまった。

 住職は宇治孝三郎と名乗った。沢庵とか一休とか、そういう名前ではないのかと聞いたところ、とりあえず「和尚」と呼んでくれ、と言われた。

 和尚から色々説教されるのではないかと思っていたが、そういうことはなかった。警察を呼ぶとも言われたが、本堂の掃除を条件に目をつむってもらうことになった。もちろん、体の関係も付きでだ。


(続く)

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