(二)-12
「おい、なに寝てるんだ」
翌朝、恵美里は新田のその声で起こされた。新田は既に背広に着替えていた。
「これ、やっておけ」
新田は二つ折りの紙片を渡してきた。恵美里がそれを開くと、手書きでなにやら書いてあった。ベッドメイク、洗濯、シンク磨き、部屋の掃除、そして夕飯の支度。最後に、部屋から出るなと書かれていた。
メモを渡した新田は身を翻してすぐに部屋を出て行った。外から鍵をかける音がした。
掃除と洗濯はともかく、夕食の支度など、恵美里はしたことがなかった。家出する前はいつもコンビニの弁当だったからだ。だから夕食は、キッチンに置いてあった一万円札を使ってコンビニ弁当を買ってきた。
(続く)
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