(二)-6

 一ヶ月近く、この友人宅から学校に通っていた。しかし、友人に彼氏ができて部屋にその彼氏がやってくるようになった。そのため、なんとなく居場所をなくしてしまった。だから友人宅を出た。

 その後、上野のマクドナルドでネット掲示板に書き込みをした。見知らぬ人に泊めてもらうためだ。


 最初に泊まったのは、多賀宏という四五歳の警備員の家だった。

 多賀とは北千住の駅で待ち合わせをした。多賀は眼鏡をかけたデブだった。

 多賀は、最初の夜は優しかった。恵美里が「家出した」と言うと、特に理由も聞かずに「いつまでもいていいよ」と言ってくれた。


(続く)

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