(二)-3
「実家が北綾瀬にあるとわかったので、北綾瀬署に依頼して行ってもらったのだが、そこにもいなかった。で、思い出したんだよ、ひと月前の事件を」
上司に続けて青谷が「鶯谷の件です」と付け加えた。
「ええ。首に絞められた跡があったので、殺人事件で捜査しています。……まさか彼女が?」
すると城陽が、資料を見つめながら山城の肩をつついた。
「山城さん、似てますね、駅の防犯カメラに映っていた女に」
それを聞いて山城は、「取り調べ、させてもらえますか」と小倉に尋ねた。
「もちろんだ。そのつもりで呼んだんだよ」と小倉が答えた。
そして一堂は立ち上がり、部屋を出た。
(続く)
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