第4話 朝の準備
お互いを見て、何も言わない、学校がある日の朝にしてはかなり長い間そのまま横になっていただけ。しかし、夢みたいな状況であっても、夢みたいな儚いものでもある。永遠に、このままいればだけいいのに、現実はそんなに甘くない。
今日が月曜日とか、今日は月曜日からこそ学校の日であること、とか。
よいしょ! よおおおおし!
心でそう叫ぶながら、ベッドから上がる、廊下に出る。というより、出ようとする。妹がこないことを気づくと、振り向いて、彼女がまだベッドにいることを気づく。花が寝息を立てる。
寝てる。
妹が、私のベッドで、寝ている。なんか尊いな景色。可愛くて可愛くて、たまらないほど可愛い無防備な顔とかなりいいスタイルが、半端じゃない破壊力を持ってる。自分の妹であるが、私の心がバグっているほどドキドキしてしまう。
近づいて、上から妹の顔を見下ろす。肩を軽く揺さぶる。どうにかもうかなり深い眠りを入ったらしい。
とん、と軽く頬を指で叩く。反応がない。
徹底的に無意識か。ならば?
私がもっと近づく。妹の顔を、近づく。
妹の唇を、近づく。
そして軽い、ほんの一瞬だけの唇と唇の触れ合い。
私がキスしていた。眠る妹と、キスしていた。私、やはりなんか駄目な人間だったかな。
数秒あと、妹の目が開く。大きな目で、私を見る。私を見て、凝視する。顔がもちろん赤面。
やっぱり気づいている?
私がかんがえているあいだ、花が平然を取り戻す、まだベッドで横になっているなら元気よく全然関係ないことを言い出す。
「もう言ってた気がすごくしてるけど、お姉ちゃん、もうはや準備しないと遅刻しちゃうよ。わたしがいまトイレに行くから、お姉ちゃんはその間ちゃんと朝ごはん食べてね? かなり急いでるところよ」
妹から聞きたいことではないね。しかし、やはり気づいていない?
「あ、そう、もう一言だけがいい? 言いたいのはただ......キスはありがとう、ね」
そして妹がウィンクして、勢いよくベッドから降りる、部屋から出る。まだ赤面だった。多分私もそうだけれど。
さて、準備か。
第一は、妹が言っていた通り、朝ごはんである。日の始まりのとても大事なイベント。かなり急いでいるところので、ただのつまらないパンになる。バッターとかもちろんもある。できるだけ早く食べたいね。しかし食事の時に限って、私は随分遅いなので、あまり時間がない時とこんなような簡単なものになる。
第二は、メークする、髪を整う、歯を磨く、そのようなこと。トイレから出た、今日私の遅さを耐えない妹の花がヘアブラシを手に私の後ろを回って、私の髪を自分のと同じ髪型にする。今日もお揃いか。
第三は、制服に着替えて、妹と出かけること。学校へだけ、だけれど。
やっぱり今日本当一番楽しみとしていることは学校の後となる。
それは、もちろん。
妹とのデート。
でも、その前は学校。
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