第6話 7年後(視点切り替え)

 

「《魔弾》」


 ドガンッ!


 手の平から放たれた《魔弾》が、木をいくつかへし折った。

 7年前、《無属性魔法》を取得したばかりと比べると、圧倒的に成長していた。


 名前 シュウ     レベル1

 職業   

 HP 50/50 (15up)

 MP 263/270 (210up) 

 物理 4 (1up)

 防御 4 (2up)

 魔法 23 (15up)

 魔法防御 15 (10up)

 素早さ 5 (3up)

 幸運 1


 ユニークスキル ステータス閲覧 

 (時空魔法) 多重人格

 

 スキル 痛覚耐性Lv3 思考拡張Lv2

 異世界言語 睡眠耐性Lv1 魔力感知Lv3 魔力操作Lv3 無属性魔法Lv3 

 風属性魔法Lv2 土属性魔法Lv2 

 水属性魔法Lv2 火属性魔法Lv1 

 光属性魔法Lv3 闇属性魔法Lv3

      

 称号 転生者 ユニークスキル保持者

 全属性保持者 虚弱


 もう完全に魔法特化だ。

 魔法関連が大きく成長しているのに対して、物理関連は殆ど成長していない。

 十二歳になって、このステータスだと、日常生活も危うくなるが、そこは《無属性魔法》の《身体強化》でどうにかしている。



 庭から、森の浅い所に場所を変えたが、森のため火が練習できず、《火属性魔法》だけがLv1だ。

 時空魔法が、光と闇の複合属性だと言うことを知ってからは、積極的に光と闇を練習している。


「シュウ、どこに居るのー」


 遠くから、俺を呼ぶ声が聞こえてきた。

 シュウの名前を知っていて、現実世界で会えるのは一人だけ。


「リリー、ここにいるよー」


「分かったー」


 リリーと出会ったのは7年前、アルスが精神世界で頼み込んできたことがきっかけだ。

 それから、仲良くなりついに俺たちの秘密を打ち明けるまでになった。

 異世界転生のことは伏せて、多重人格であることを打ち明けた。……アルスが。


 リリーは、多重人格だと言うと、納得していた。

 そろそろ両親にも打ち明けようと思うが、父さんが忙しく、なかなか二人が揃う時間がないため保留している。


 しばらくすると、リリーがこちらに来た。

 

「魔法の調子はどう?」


 リリーが質問をしてほしそうな目をしている。


「いつもどおり。リリーの方こそどう?」


 質問すると、目をキラキラさせて誇らしげに言った。


「見てて《水槍》」


 リリーの手の平から、水が飛び出て、あっという間に槍の形になった。


 ブシュン!


 そして、水の槍は目の前の木を貫通し、更に3つ先の木まで貫いた。


「もしかして、もう水属性魔法のLv3を習得したの!」


「そうなんだよ。すごいでしょ〜!」



 俺が、最近は光と闇に力を入れているとはいえ、教えて数ヶ月なのに、もうLv3を習得したのか……。

 もしかしたら、俺よりも魔法の才能があるかもしれない。


「……あ! 思い出した! シュウ、シュウの父さんが、今日は速く帰って来なさいっていってたよ」


「わかった。すぐに帰る」


そう言って、俺は家に帰っていった。








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