第271話 お料理教室に行ってきた、本日。

 今日はお茶の先生が主催しているお料理教室の日です。毎月一回、お茶の先輩と、そのお友達と私の三人だけが生徒の小さな小さなお料理教室。毎月一回のこのお料理教室が、引きこもりがちな私の何よりの楽しみ。


「だってすんごい美味しいんだもん!」


 コロナ以降、なかなか美味しいものを食べにいけない日々。いや、基本引きこもりだから友人と——友達が少ないけども——ご飯に行くなんてこともなく、家族で外食はするけれど、ちょっと大人味のご飯を食べに出かけることがめっきりなくなっている私にとって、このお料理教室で習うメニューはとてもとても大人なお味で毎回とても楽しみにしています。


 今日は、アイリッシュなメニュー。ブロッコリーとカリフラワーの温野菜サラダ、ブルーチーズドレッシング、ビーフシチューと牡蠣のパイ包みと、洋梨のプリンを作ってきました。


 ブルーチーズのドレッシングは、ロックフォードという種類のブルーチーズに生クリームや牛乳を混ぜ込みとてもコクのあるお味。ブロッコリーの緑とカリフラワーの白色にそっと白いドレッシングをまわしかけ、カシューナッツとピンクペッパーをトッピングした温サラダは、珍しいドイツのパンでソースをぬぐい、一滴も残らず食べきるほどに美味しかったです。ビジュアル的にもピンクペッパーが緑色に映えてとても可愛かった。だがしかし、子供はきっとブルーチーズだし食べれないだろう……。


「子供は無理でも私は大好きだー!」


 白ワインが欲しくなった前菜を食べ終え、続きますは牡蠣とビーフシチューのパイ包み。パイといってもキッシュの生地のようなタイプで、何層にもなったパイ生地ではなく、サクサクとしたビスケットような生地のパイでした。牛肉と牡蠣?! なんて最初思っていましたが、これまたすごくあいまして! 組み合わせに驚きました。ビーフシチューはデミグラスソースではなく、黒ビールを煮詰めて作るタイプのあっさりシチュー。初めてのお味でしたが、これまたコクがあって美味しい! ハーブのタイムがいい感じで効いています。


「でも子供にはきっと無理だー!」


 大人味だったので、家庭で作る機会はなさそう。大人が集まるパーティーならいいけれど、最近我が家に大人が何人も集まるホームパーティーがないので、おかわりをしてまで味わいました。どこを食べても角切りの牛肉。贅沢な一品で大満足でした。


「赤ワインが飲みたいぞー!」


 車なので赤いワインも白いワインも黒ビールも飲めないけれど、それでも美味しいものは美味しい! 大人味最高! なんて食べすすめ、デザートは洋梨のプリンです。


 洋梨は皮をむいてカットし、フライパンで砂糖と煮詰めキャラメリゼしたものをプリンカップに入れて、そこにプリン液を流し込み蒸すというもの。作り方は至って普通のプリンなのですが、そこに沈めた洋梨のキャラメリゼと、卵液に混ぜ込んだ洋梨のピューレがマリアージュしてて、優しい中にも品のある甘みで、最高に美味しかったです。


「絶対これは子供たち好きだ! すぐにでも作ってあげよう!」


 三品目にきて、やっと我が家の食卓に並びそうなメニューでした。それでも大人味のご飯に癒され大満足の本日。


「あなたの書いているお話だけどね、プロットがないでしょ?」


 お料理教室終了後の紅茶タイムで先生が不意に私に尋ねます。実は先生、私の書いている小説をネットで読んでくださっていまして。


「設計図はあったんですけど、ダメですよね。先生のおっしゃるとおり、プロットがちゃんとしていない、ライブ配信的に書いていました。大失敗だと自分でも気づき、ここ三週間、落ち込んでため息ばかりでした」


「そうでしょ、そうだと思ったわ。大丈夫よ、次からちゃんとすれば少しは良くなるでしょう。それに、文字数ももっと少なくお話が書けるはずよ。最後がねじれてるような気がして、残念だわって最後まで読んだけども。まぁ、頑張って、そう落ち込まないで」


 先生は小説が大好き。映画も、アートも、文化的なことなら一通りオールジャンルにお詳しくって。そんな先生に直接お話を聞かせてもらえ、「よし、頑張るぞ!」と心が浮上しました。生の声、身に染みました。


「これ、私のオススメよ、良かったら」と、帰り際、一冊本をお借りして帰宅。小説の構成をもっと勉強したい私の愛用している机に、また一冊本が増えました。何冊あるのか、多分十冊以上は積んであるその小さな机は、ソファ横のサイドテーブルで、ちょっとでも触れたら本の雪崩が起きそうです。


 そんなお料理教室に行ってきた、本日。

 書きたいけれど、まだ書けない私は指を怠けさせないために妄想日記に今日のことを書き、ただいまより家事をこなす。一日出かけていたからまだ洗濯も干していない……。


「ん? おかしいな、もう外は暗いって、そ、そんなバカな!」


 目標、『小説家になりたい』に向かい、日々少しずつでも前に進んでいけるような自分になりたいです。カクヨムコン、なんだかんだ言って、一作も新作が書けなかったりして……。そんな本日は、この辺で。


 本日もお読みいただき、誠にありがとうございました。



******


 洋梨のプリン、すごく美味しかったので、興味のある方はぜひトライしてみてください。今の季節だけのご馳走プリンです。詳しいレシピが知りたい方がもしいらっしゃれば、コメント欄にて一言いただけましたらお伝えいたします♡

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