第269話 そういえば、な本日。

 そういえば先々週の水曜日、実家の魚屋さんが定休日なので、お母さんの故郷である福井県に行って参りました。


 蟹、解禁。

 越前海岸で、茹でたての蟹を食べる。

 最高!

 お母さんに奢ってあげよう!

 ときには親孝行も大事だ!


 そんな浮かれた気持ちで、次に書きたい小説の取材を兼ねていきました。前作は山奥だったから、今度は海もいいなと思って。晩秋の荒れ狂う日本海を見たかったのですが——。


「めっちゃ天気いいやんけ!」


 灰色の重たい空と黒い海、荒れ狂う日本海。白い泡を撒き散らし波が勢いよくテトラポットで打ち砕け、車道まで海水が溢れ出るような光景。昔おばあちゃんの家に行ったときに見た、恐ろしい記憶を探しに行ったけれど、超快晴で。雲ひとつない青空と、穏やかな海。キラキラ太陽が水面に反射する穏やかな日本海。母曰く、一年のうちでもそんな日は珍しいとかなんとか。


「どこに行ったんだー! 私の見たかった日本海はー!」


 ちなみに母と重度の知的障害のある弟と三人で行ったため、なんとお昼ご飯は『蟹』ではなく、『ファミマのおにぎり』だった……。


「交通費を使って、一日運転して出かけたのに、ファミマのおにぎりって……。マジか……」


 弟は重度の知的障害があり、話をすることができません。あーとか、うーとかしか言えないのです。でも、心は通じておりますので、そこは一般的な話じゃない話し方で会話は通じるのですが、なんせ、彼は自由人。嫌なものは嫌なので、蟹なんてゆっくり食べることはできません。蟹ってめんどくさいし時間もかかりますもんね。それに目を離すと、どっかに行ってしまうから車を降りる時間は最小限しか無理なのです。


「蟹解禁って旗がいっぱい出てるのに! 茹でたての蟹が売ってるのに!」


 残念な気持ちはお土産を買って解消だ。家族に蟹を買って帰ろうと値段を見たらば、越前蟹三万円!


「よし! 子供たちにこれを買っていってあげよう!」


 お土産屋さんで売っている蟹の形をしたカニカマを買って帰路につきました。言うてしまえば、お母さんの魚屋さんで蟹を原価で買った方が安い。そりゃそうだけどやっぱり現地で購入って憧れがあったのも確か。残念、蟹は高級食材でした。


 なんてことはない、そんな、「そういえば、」なお話。お付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。


「うんうん、おやすみしてたけど、キーボードの打ち方は忘れていないようだ! これならいける! いける気がしてきたどー!」


 いやまだ新作は無理だろうな、と思う本日。十二月に入ったらカクヨムコン参加の新作が溢れるのでしょうか。お祭り騒ぎですね! 楽しみです!


「妄想妄想妄想妄想、そして現実。今から中学生の三者懇談です……」


 そんな本日は、この辺で。

 リハビリがてらの日記にお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました! 


 日日是好日。日々感謝です。




(おまけ)


【越前海岸に着いた時の親子の会話】

「お母さん、今日茹でたての蟹コース奢ってあげるね!」

「毎日蟹茹でてるから、蟹、じゃない食べ物がいいな」

「あ……。魚屋だったの忘れてたわ」



 越前海岸には魚屋じゃない人と行くべきでした。






 

 



 

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