第47話 どん底
一番下の階にまで落下してしまった。
「此畜生!」
近藤が唾を吐きながら罵った。
「また上らなくちゃなんねぇのかよ」
マットレスの中から起き上がった私も珍しく舌打ちをした。
「早くいかんと、三世は負けるぞ」
「そうだ。早くいこう、脚立を出せ」
しかし、私が脚立を出す時間はなかった。ここは一番下の階。つまるところ、一枚の壁を隔てた向こう側には、完璧なる武装をした敵がごまんと転がっている。音に気がついた彼らは何事かとやってきて、老人二人を発見したのだ。彼らは瞬く間に私たちを囲むと、せせら笑いをしながらそれぞれの武器を私たちに向けた。
私は慌ててエブリイを創り出して盾にしようとしたが、知名度が揺らいだせいで座席しか創造できなかった。仕方なく二人はその座席の裏に回り、二人揃って銛を構えた。
「近藤!」
「ええい、わかってる、戦ってやるよ、この野郎!」
私と近藤二人に対して、部屋の中にいるだけでも敵の数は百を超えていた。
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